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なぜ鉄橋は倒壊した?JR磐越西線・濁川橋梁《福島県・大雨 》防災のプロの視点…最大級の水量に洗掘か

<大雨の影響で倒壊…JR磐越西線・濁川橋梁とは>
JR磐越西線・喜多方駅から新潟方面に約1キロ離れた濁川橋梁が倒壊した。
橋の長さは250mだが、このうちのどのくらいが崩落したのかはまだわかっていない。
この濁川橋梁は、明治37年に使用開始。平成28年には「磐越西線鉄道施設群」の一部として土木遺産に認定されている。これは、当時のままの橋脚・当時の技術これらの歴史的価値が評価されていることを意味する。
以前、濁川橋梁の視察に訪れたという日本大学の知野泰明准教授によると「橋脚は石橋脚と言い、石とモルタルで作られた現代でも十分耐えられる橋」だとコメントしている。

《防災のプロはどう見る?》
東京大学客員教授・防災マイスター 松尾一郎さん:
「耐えられるとはいっても、100年ほど前に建造されたものですから。被災した状況を見ると、近代の建設技術ほどしっかりした基礎を造るというような工事ができている訳ではなさそう。災害は弱いところを狙うんです。そういう結果だと思います」

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<崩落した鉄橋から上流に約700mの場所には福島県の水位計が設置>
それによると、水位のピークは午後11時で約1.6メートル。堤防の高さは4.4メートルなので、まだ3メートル近くあり氾濫は起きなかった。

《水位が上がらなくても鉄橋などの構造物が壊れてしまうケースも?》
東京大学客員教授・防災マイスター 松尾一郎さん:
「水位計の場所と構造物の場所とは数百メートル離れていますので、その時の水の流れがどうだったかというのはなかなか難しい。当時は観測史上を記録した雨だったことを考えると、河川の水量も相当だったことは間違いない。もう一つ、倒壊した橋脚の土台を見ると、もともと川の底にあった土台なんです。上流から最大級の水が流れてきて川底もろとも洗掘され、構造物自体が露わになった。なので上流側に傾くような状況になっているのだと思います。ある意味耐えきれなくなって倒壊したということです」

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<付近には学校も多くあり、通学への影響も懸念>
地域にとって欠かせない交通インフラが被災した。復旧には時間がかかりそう。

《どのような視点が大切になる?》
東京大学客員教授・防災マイスター 松尾一郎さん:
「災害というのは地域を疲弊させます。例えば磐越西線は福島にとって昔から重要な交通手段のひとつです。会津の人にとっては生活の一部なんです。まして観光基盤のひとつ。仮復旧を急ぐというのがひとつ、そのうえでどういう構造物にしていくのかを県も一緒になって地域で考えるというのが重要。鉄道事業者だけの悩みにしてはいけないと私は思います」

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<復旧には時間がかかる見込み>
JR東日本によると、調査は今後川の状況を見て行うという。復旧までは当面の間かかりそうだと話していた。
また、日本大学の知野泰明准教授は「橋脚がおれていたり土台がえぐられていたりすると復旧まで時間がかかるだろう」と話す。

代行バスについては「見通しが立っていない、現地の道路状況を見て今後判断する」としている。
そして今回の大雨関係とは別の話題になるが、この喜多方~野沢間はコロナ禍前の2019年度の収支で7億9800万円の赤字。地域の人にとって欠かせない足である一方で今後、運営のあり方というのも見直されるのかもしれない。