危険な場所には進ませない!津波到達前に表示が切り替わる「防災対応型信号機」 全国唯一福島県で導入
東日本大震災の発生から12年8カ月が過ぎた。あの日のような大津波の襲来が予想された瞬間に、福島県民の命を守る全国唯一の信号機が導入された。
<全国初の防災対応型信号機>
2023年11月1日に、福島県相馬市の交差点で実施された訓練。想定したのが「大津波警報」の発令だ。
警察は災害が起きた時、迅速かつ安全に避難を促すため、交通量の多い場所では交通規制を行う。大津波警報の発令を受け、交差点に臨場した警察官が信号機の制御盤を操作。スイッチを切り替えると、すべてが赤信号に。この信号機は、津波到達前に表示が切り替わる全国で唯一の「防災対応型信号機」だ。
<沿岸部には進ませない>
信号機が災害モードに切り替わると、津波の到達が予想される沿岸部に進ませないように、車両が進行して良い方向だけが示される。「命を守るために」強制的に進行を阻む。
<沿岸部に向かい犠牲になった人も>
「東日本大震災のときには、私は相馬警察署の交通課長やっていまして。まさに大津波が届いた後に、ここで手信号で"ここから先いけませんよ"という風な交通整理をしていた」と話すのは、12年前、相馬警察署の交通課長だった福島県警・交通規制課の佐久間正和課長。
東日本大震災では、大津波警報が発令されるなか沿岸部に向かってしまい犠牲になった人もいたという。佐久間課長は「警報が出ている段階で規制をしていたら、何台も守れたんじゃないかなと思う」と話した。
<人員を有効的に配置できる>
今回、設置されたのは3カ所。新地町では南に向かう国道6号線のルートを遮断。相馬市の中野交差点では海の方向に進めないよう規制する。さらに相馬市のもう一つの交差点では、北に向かう国道6号線などに入らせず浸水想定エリアに近づかせない。
福島県警・交通規制課の佐久間正和課長は「ここで信号機で制御が出来れば、別な信号機がない交差点には警察官とか標識を立てることができる。そういう意味でも信号機は有効かなと思う」と話す。
福島県警本部では、今後「防災対応型信号機」を沿岸部を中心に数を増やしいく方針。