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公立中学校で卒業式 双葉中は仮設校舎 最後の卒業式の松陵中は2025年度から小中一貫校に【福島発】

春は出会いと別れの季節。1万4千人余りが通い慣れた学び舎に別れを告げた。

3月13日は福島県内のほとんどの公立中学校で卒業式。「全ての景色を忘れない」卒業生はまた一つ大人の階段を上った。

■仮設校舎で卒業式
いわき市錦町の仮設校舎で11回目の卒業式を迎えた双葉町の双葉中学校。
新田勇雄校長が「復興に向けて歩みを進めている双葉町があることを実感したと思います。5年後・10年後、皆さんがより具体的な形で町に貢献してくれたらとても嬉しいです」と述べた。
卒業生の6人は4月からいわき市の高校などに進学する予定で、それぞれの道を歩むことになる。卒業生代表の富澤楓子さんは「双葉中学校で見た全ての景色や皆さんとの思い出を決して忘れません。力強く新たな一歩を踏み出していきます」と述べた。

■2028年度から新しい一貫校に
2022年9月に役場機能を町内に戻した双葉町。2028年4月には町内に0歳から15歳までが通う新しい一貫校を開校させる予定だ。
卒業生は「本当に楽しかったけど、本当にあっという間だった3年間で、それが終わっちゃうんだなって感じがしました、卒業証書受け取って」と話した。

■最後の卒業式
一方、福島市の松陵中学校は最後の卒業式に。
「安達太良の嶺の白雲~」来年度から周辺の3つの小学校と統合され、小中一貫の松陵義務教育学校に生まれ変わる。開校から61年、1万人を超える卒業生が学び舎を巣立った。
新たに整備された義務教育学校のアリーナで90人に卒業証書が手渡された。
伊藤歩夏さんが「61年間続いた松陵中学校最後の卒業生として、この場に立っていることを誇りに思います」と答辞を述べた。

■新しい義務教育学校へ
保護者たちに見守られながら行われた最後のホームルーム。
『白木蓮にも似たその白い翼で~』クラスメートと毎日練習した思い出の合唱曲「あなたへ」を歌い、この日を胸に刻んだ。
卒業生は「思いが溢れて今日で卒業なんだなってすごく実感しました」「今までの松陵中学校の伝統を引き継いで、新しい松陵義務教育学校でもこれからも(後輩たちに)頑張っていってもらいたいと思います」と話した。

3月28日には松陵中学校の閉校式が行われる予定だ。