今年は多い!?ノロウイルス 手洗い・食品の加熱・調理器具の消毒がポイント オムツ交換時にも注意
福島県内で2025年に発生した食中毒は14件。このうち半数の7件がノロウイルスによるものだ。冬場に流行し下痢や嘔吐、発熱などの症状を引き起こし人の体内で増殖。人から人に感染するのが特徴で、全国的にもノロウイルスによる食中毒が相次いでいる。飲食店でも警戒を強める食中毒。家庭でできる対策法も聞いた。
■徹底した消毒とスタッフの体調管理
福島県郡山市にある「居酒屋安兵衛」は、ノロウイルスなどの食中毒を出さないために対策を徹底していた。包丁とまな板は小まめに洗剤と塩素系漂白剤で洗浄、体調が悪いスタッフは休ませるなど体調管理を徹底し、食事を提供する前にも手洗いとアルコール消毒を行っている。
店長の早川健児さんは「実は寒い時期も結構食中毒は多い。できることをしっかりやりながら、楽しんでもらえるような場所にするため当たり前のことを当たり前のように、感染症対策は引き続きコロナと変わらずやっていこうと思っています」と話す。
■保健所に聞く 家庭での対策
家庭ではどのような注意・対策が必要なのか?郡山市保健所の担当者に聞いた。
郡山市保健所・生活衛生課の白田一樹さんは「嘔吐物や糞便には、多くのノロウイルスが含まれていて、これらを介して感染する。赤ちゃんや要介護者のオムツの交換や、嘔吐物の処理をする際は特に注意が必要」と説明する。
■手洗いの徹底
まずは、手についているノロウイルスを洗い流すこと。「ノロウイルスは、石鹸やアルコールでは死滅しない。しわとかに含まれているものを浮かし出して洗い流すイメージで手洗いすると良い」と白田さんはいう。
調理する時に食品に付着する恐れもあることから、指の腹や手の甲、指の付け根などを30秒ほど、2回洗うことをすすめている。
■食品の十分な加熱
食品の中心部が85度から90度になるように、90秒以上の加熱することでノロウイルスが死滅するという。
■調理器具の消毒や加熱
包丁やまな板の使い分けや、食器などを洗剤で十分に洗浄した後に塩素系の漂白剤で消毒、または熱湯で1分以上加熱することも有効だ。※熱湯は85℃以上
白田さんは「今年の大寒波とかの影響で、ウイルスが大量に残っている。そういった可能性は、否定しきれないと思います」という。
ヒトの体内で増殖し、季節に関係なく感染の恐れがあるノロウイルス。引き続き十分な予防と対策が大切だ。