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福島市長選挙 選挙の構図 現職と新人2人の主張 継続か刷新か 今後4年間の舵取り役は 16日投開票

11月16日に投開票が迫った福島市長選挙。県都・福島市の次の4年間のかじ取り役を決める選挙には、現職と新人の合わせて3人が立候補している。
届け出順に前衆院議員の新人馬場雄基(ばばゆうき)さん(33)、3期目を目指す現職の木幡浩(こはたひろし)さん(65)、会社経営で新人の高橋翔(たかはししょう)さん(37)の3人。



■選挙の構図

市政担当の石山記者が解説する。
ーー改めてどのような構図になっているのか。
木幡さんと高橋さんは前回・4年前に争っていて、木幡さんが9割もの票を固めて当選を果たしたが、今回はこの戦いに馬場さんが加わった形だ。

ーー争点はどのようなところに?
福島市は駅前の再開発に人口減少への対応、メガソーラーなどの環境問題に相次ぐクマ対策と、対応すべき課題が多岐にわたっているので、候補者も様々な課題に対し主張を展開して激戦を繰り広げている。
まずは3人の選挙戦からそれぞれの主張を見ていく。

■馬場雄基候補の主張

「頑張りまーす、よろしくお願いします!あっ走ってる...ゆっくり行きますね」
前衆院議員で新人の馬場雄基さん。立憲民主党を離党し、再開発事業をはじめ閉塞感が漂う現状を打破したいと主張する。「未来への懸け橋を作っていくとするならば、いかに早期完成への機運を醸成することができるかが、本当は勝負なのではないでしょうか」と街頭演説で訴える。

2021年、衆院選に初当選し「初の平成生まれの国会議員」として培った実績。感覚や慣例ではなく、数字と実績に基づいたデータ行政の確立などを訴える。

新人・馬場雄基候補:「県都福島市、再起をかけたいと思っています。圧倒的な危機感です。駅東口再開発の問題や、メガソーラーの問題も含めてですが、あまりにも閉塞感が漂いすぎです。変わるという希望というものがあまりにも少ないこのまちに、私は必ず希望を、変化という希望の光をつくりたい」





■木幡浩候補の主張

「(神棚に柏手)パン!パン!」3期目を目指す現職の木幡浩さん。自民・立憲・連合福島をはじめ政党や団体からの推薦を肩に背負っての選挙戦だ。
街頭演説では「猶予はありません。多くの皆さんが、この福島に来て、福島で集い、あるいは楽しみ、学ぶ、そういう街をつくってまいります」と訴える。

力強く訴える「継続」の必要性。復興庁福島復興局長として復興の旗振り役を担った経験などをもとに福島を前に進めると力をこめる。

現職・木幡浩候補:「今色々な仕込みをやっていて、特にまちなかなども色々な動きがあるんですね、ちょうど夜明け前の状態です。これを速やかに日が照るようにするには、私が継続して取り組まないと。いったんご破算になったりとかしてしまうわけです。復興創生をけん引するような、そして広域の定住の拠点になるような、誇りと風格のある街にしていきたいと」

■高橋翔候補の主張

「選挙は割って入ることが可能です。文句があるなら出馬しろ、ただそれだけです」
立候補の様子をライブ配信する新人の高橋翔さん。知事選や首長選・県議選など県内の選挙へ16回目の挑戦となる。
街頭演説で「何か新しいものを作るんだったら、どうせ金を使うんだったらいいものをつくろうよと。民間の事業者と交渉ができます、呼んでくることができます、営業提案ができます」と訴える。

宇宙関連企業の経営者として、福島市でもこの分野への進出を目指すことで雇用などを生み出すと強調。企業経営の手腕が行政運営に力を発揮すると訴える。

新人・高橋翔候補:「シンプルに、このまま福島市民に任せていたらおそらく変わらない。これを解決するには、私のようなもともとビジネスマンがやる必要があると。トップセールスとして、ネガティブな話もしなければならない。言いたくないことも言わなきゃいけない。交渉ですから。落としどころをしっかりつけられるリーダーが、強いリーダーがやっぱり代表として必要だろうと」
(※「高」は正式にははしごだか)

■継続か刷新か?有権者の関心高く

課題は様々、県都の有権者も選択を迫られている。
ーーそれぞれどのような選挙戦を展開しているのか。
現職の木幡さんは、自民党や立憲民主党、連合福島など政党や団体からの推薦を得て組織戦を展開している。しかし、一部の国会議員や県議会議員から馬場さんへの応援もあり、一枚岩にはなり切れていない。
馬場さんの陣営は、会見のライブ配信などSNSを駆使して個人への訴えを強化していて、馬場さんがどれだけ「点」から「線」「面」への広がりを見せられるか。また、木幡さんがこれまでの実績をもとにどれだけ「面」的な支持を守り切れるかが、結果を左右しそうだ。
高橋さんはSNSやまちなかでの街頭演説を通して、独自の選挙戦を繰り広げている。

ーー有権者の関心は高まっているのか。
前回投票率は34.79%と、その前の選挙から10ポイント以上下がっていて、県の選挙管理委員会に残る記録によると、福島市長選として過去最低となった。市民の関心の高まりも課題になるわけだが、今回の選挙、13日までに期日前投票を終えた人は2万2124人で、前回の同じ時期の2倍を超えている。

様々な課題に対して、木幡さんは「これまでの準備を花開かせるための市政の継続」
馬場さんは「国会議員の経験ももとにコストの見直しと計画の磨き直し」
高橋さんは「企業経営者としての手腕でリーダーシップを発揮」とそれぞれの強みを生かした主張を展開している。
継続か刷新か、次の4年間の方向性が大きく決まる選挙戦だ。福島市長選挙は16日投開票される。