<福島第一原発>津波注意報で作業員に一時避難指示・処理水放出を計画中断
東京電力は12月8日に発生した青森県東方沖を震源とする地震が発生し、福島県沿岸に津波注意報が発表されたことを受け、午後11時27分に福島第一・福島第二原子力発電所構内の全作業員に対して高台などへの避難指示を出し、福島第一原子力発電所で実施中だった処理水の海洋放出を午後11時42分に計画停止した。
津波注意報の解除に伴い、作業員への避難指示は福島第一・第二原発ともに12月9日午前6時半ごろに解除された。福島第一・第二原発のパトロールの結果、今回の地震による設備への異常は確認されていないとしている。
また、処理水の海洋放出は設備に異常はないものの「北海道・三陸沖後発地震注意情報」も踏まえ再開時期を検討中だとしている。
福島第一原発では、12月4日から通算17回目の放出を開始していて、12月22日までの19日間で約7,800t(タンク約8基分)を放出する計画だった。
処理水の海洋放出は、放出前の水をためる水槽と海水面の高低差を利用して海に流れるようになっているため、海面が高くなって水が逆流してしまう恐れがある場合や、設備の安全性を確認すべき場合には放出をとめることが定められている。
震度5以上の地震や津波注意報、竜巻注意情報(発生確度2)、高潮警報などで放出を手動停止することが決まっていて、これまで2024年3月の地震、2025年7月の竜巻注意情報や津波注意報でも手動停止したことがある。
“処理水”は、1号機から3号機の原子炉の中に残される事故で溶け落ちた核燃料が固まった“燃料デブリ”に、地下水や雨水などが触れることで発生する“汚染水”から大部分の放射性物質を取り除いたもの。海洋放出は2023年8月24日に開始された。















