三進金属工業株式会社~未来を支える物流の要、三進金属工業の挑戦~
三進金属工業の代表取締役社長、新井宏昌氏は、日本一のラック製造能力を誇る企業のトップとして、物流業界の最前線に立ち続けている。100年企業を目指す同社の取り組みと、新井社長の経営哲学から、物づくりの真髄と未来への展望を探る。
「物がなくならない限り、ラックは必要不可欠」
「よく学生さんは、そのレポートとかそういうの出すの今もう電子化になってね、ペーパーレスやということになってるけど、世の中ね、絶対モノレスにはなれへんからね」と新井社長は語る。デジタル化が進む現代でも、物理的な「モノ」がなくならない限り、それを保管するためのラックは必要不可欠だ。この確信が、三進金属工業の揺るぎない基盤となっている。
新井社長は続ける。「物がなくならないっていうことはね、それを保管するためのね、ラック、物流における保管設備っていうのは、未来永劫に続く製品なんです」。物流業界の将来性と、同社の製品が果たす重要な役割への自信が滲み出ている。

東西両工場体制で実現する安定供給
三進金属工業の強みは、東日本と西日本に生産拠点を持つ「東西両工場体制」にある。新井社長は、この体制について次のように説明する。「24年問題も最寄りの工場から供給できるということで、いわゆる長距離トラックの運転士さんの残業制限でもって、長距離運べないのではないかという問題は全てクリアできている」
この体制は、単に物流の効率化だけでなく、災害時のBCP(事業継続計画)対策としても機能している。「過去、阪神淡路大震災の時、東日本大震災の時も、どちらかの工場がカバーできる。この両工場の体制というのはお客様にとっても安心、安全」と新井社長は強調する。
100年企業を目指す経営哲学
三進金属工業が掲げる「100年企業」というスローガンには、深い意味がある。新井社長はこう語る。「少々の不景気があっても、しっかりと収益を確保して次の投資をする。また社員の生活を守っていける会社でありたいと。そしてまた次の世代にバトンタッチをちゃんとできる企業でありたい」
この理念は、単なる長期存続を目指すものではない。社会的責任を果たし、従業員の生活を守り、次世代へと継承していく持続可能な経営を目指している。
多角的な事業展開で未来を見据える
三進金属工業の事業は、ラック製造にとどまらない。「サンシン夢ファーム」という農業生産法人を設立し、耕作放棄地を活用した米作りを行っている。「地域貢献をしながら、なおかつ東西両工場の社員食堂で昼のご飯に、このお米を使わせていただいてる」と、地域貢献と社員福利厚生を両立させている。
さらに、大阪・関西万博に向けたプロジェクトにも参画。アクアポニックスという新しい農業技術を用いた展示物の製作に携わり、未来の食糧生産にも貢献しようとしている。

若者へのメッセージ
新井社長は、若い世代に向けてこうメッセージを送る。「物作りというのは無から有を生み出す本当に大切な仕事だと。そこに誇りを持って一緒になって頑張りたいっていう若い人をね、望んでおります。若い人が希望を燃やすような、会社、企業に持って行きたい」
三進金属工業は、単なるラック製造企業ではない。物流の未来を支え、社会に貢献し続ける企業として、次世代の人材を求めている。
新井社長の言葉には、若者たちと共に未来を築いていきたいという強い思いが込められている。物づくりの誇りと、未来への希望。三進金属工業は、その両方を兼ね備えた企業として、これからも日本の物流を支え続けていくだろう。