内池醸造株式会社~「不易流行」の精神で味の伝統を守り、新しい価値を創造する~
内池醸造株式会社の代表取締役社長、内池崇氏は、長い歴史と革新的な精神を持つ企業のかじ取りを担っている。1655年に福島の地に根を下ろし、1861年から醤油と味噌の製造を始めた同社は、伝統と革新のバランスを巧みに保ちながら、時代の変化に適応してきた。

同社の企業理念は「不易流行」。この理念は、伝統的な味を守りながらも、時代のニーズに合わせて新しい製品を開発するという内池醸造の姿勢を表している。過去30年間で、醤油や味噌だけでなく、様々な調味料やタレの開発に力を入れ、売上構成を大きく変化させてきた。
新しい味を創造する会社へ:年間600件の商品開発依頼に応える
内池社長は、会社の強みについてこう語る。「年間で平均すると600件ぐらいこんな調味料を作ってほしいという、相談を受けています。その意味では本当に醤油味噌だけ作ってる会社っていうよりは新しい味を作る会社です。」
この言葉からは、内池醸造が単なる醤油や味噌の製造会社ではなく、新しい味や食体験を創造する企業へと進化していることがわかる。年間600件もの商品開発依頼に応えることで、消費者のニーズを的確に捉え、時代に合った製品を生み出している。

福島の食文化を守り、発展させる使命
内池社長は、地域の食文化を守ることの重要性も強調する。「福島の食文化、もう少し広く捉えれば東北の食文化もこれから希薄化してしまうかもしれない。そこを我々としては発酵・醸造の力、商品を生み出す、味を生み出す力、そしてその味をちゃんと製造して皆さんにお届けするという作る力、この3つの力を守り、そして磨きあげる事で、これからの福島の味みたいな部分も作り出していかなきゃいけない。」
この言葉には、地域の食文化を守り、発展させるという使命感が込められている。人口減少や高齢化が進む中で、福島や東北の食文化を維持し、さらに発展させていくことが、内池醸造の重要な役割だと考えている。
若い世代へのメッセージ:新しい味と笑顔を一緒に作ろう
内池社長は、若い世代に向けて熱いメッセージを送る。「我々は今までにない味を作っていくという、本当0から1を作るみたいなお仕事をさせて頂いています。その点においては純粋に面白いし、楽しい仕事。美味しいものを食べると基本笑顔になりますよね。今の若い人たちにとっての美味しい笑顔みたいな部分を、一緒に作っていけたらと思っています。」
この言葉から、内池醸造が単なる食品製造業ではなく、新しい価値を創造し、人々に笑顔をもたらす仕事であることがわかる。若い世代の斬新なアイデアと、長年培ってきた技術を融合させることで、さらなる革新を目指している。
内池醸造は、164年の歴史を持ちながらも、常に時代の変化に適応し、新しい挑戦を続けている企業だ。伝統を守りつつ革新を追求する「不易流行」の精神、地域の食文化を守り発展させる使命感、そして新しい味と笑顔を創造する情熱が、この会社の魅力である。若い世代にとって、自分のアイデアを形にし、人々の生活に直接影響を与えられる、やりがいのある職場といえるだろう。