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現職が無投票当選 避難経験の自治体 楢葉町長に松本幸英氏が4選 川内村長に遠藤雄幸氏が6選<福島県>

2つの自治体ともに「無投票」で現体制の継続となった。原発事故による避難を経験した福島県の楢葉町と川内村でトップを選ぶ選挙が4月9日告示され、現職が当選を果たした。

午前中の強い雨・・この雨を受けて楢葉町長選挙では現職・松本幸英さん(63)の街頭演説はすべて中止され、車内での活動になった。
全町避難となった自治体で初めてとなる避難指示の解除から約8年半。有権者たちが今の町に望むことは・・楢葉町民は「駅前とか商店街とか、点ではできているんですが、線で繋ぐもの、移動手段、そういうものを大事にしてほしいですね」「若い人たちが生活できる町になれば一番いいんじゃないの」と話す。
2012年4月に初当選した松本さんは、前回に続き無投票当選。雇用の創出や帰還した人のためのインフラ整備の実施を誓う。
松本さんは出陣式で「廃炉事業に参画することによって、小さいながらも地域経済が回っていく。これまで以上の医療環境を作っていかないと大変な事になりますので」と訴えた。

一方、避難指示が出された自治体で唯一、震災当時からトップが変わらない川内村。
住民の帰還率は約8割で人口減少が課題となっている。
50代の川内村民は「人口の減少がありますかね。(震災後)他に移住してしまったことが一番の問題かなと」と話し、30代の川内村民は「若手が(選挙に)出ていないのも実情かなと思いますので、後進の育成とかも含めて頑張って欲しいなと思います」と話す。
こちらも同じく無投票となり6選を果たした遠藤雄幸さん(69)は、「復興の反動」の厳しい現実に向き合うと話す。
遠藤さんは出陣式で「一度膨らんだ経済環境が今急激にしぼもうとしている。復興の反動減など厳しい現実が突き付けられているのも事実であります。川内村が生き残りをかけた課題が、次のステージに用意されていると」と述べた。

いずれの自治体も町政・村政の「継続」という選択肢が選ばれたが、震災対応だけでなく、町の将来を見据えた新しい一手も求められている。