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残りもの同士で結成!? パリオリンピック出場内定のバドミントンわたがしペア 青春を過ごした福島を語る

バドミントンのパリオリンピック代表が5月21日に発表された。1年間の選考レースを経て、福島県の富岡高校出身の選手5人が代表の座を勝ち取った。このうち、世界ランク3位の渡辺・東野ペアに注目、福島から2人のストーリーは始まった。

<コンビネーションが武器>
急自在な攻めで相手を翻弄する渡辺勇大選手。女子選手には珍しいジャンピングスマッシュで沸かす東野有紗選手。中学から積みあげた抜群のコンビネーションを武器に、東京オリンピックでは混合ダブルスで日本初となる銅メダルを獲得した。

<パリオリンピックに向けて>
2024年5月10日、所属チームが行った公開練習で、渡辺選手は基本的なショットを確認していた。「負けている試合は、戦術面とかフィジカル面で大きく劣っているというより一本一本の細かいミスが敗因として大きくあったので、そこを意識して練習している」と渡辺選手はいう。
最後はペアでコートに立ち、パリへ向けて連携を深めた。東野選手は「状態はとってもいい。試合がない分、たくさん勇大くんと練習が積めるし、とてもいい練習になっている」と話した。

<2人の原点は福島>
渡辺選手は東京都、東野選手は北海道の出身。ともにバドミントンの強豪・富岡第一中学校(福島県富岡町)へ進学すると、渡辺選手が中学2年・東野選手が中学3年の時に初めてペアを組んだ。

<残りもの同士でペア結成>
ペアを組んだ経緯を東野選手は「みんな強いもの同士で組んでいくが、自分たちは最後のほう、残りものぐらいの感じで組んだ。喋ったこともほとんどなくて、なんで初めましてくらいの感じ」と話す。
運命ともいえる出会いを経て、2014年には世界ジュニアで銅メダルを獲得するまでに成長した。

<辛かった!?中高6年間>
飛躍を遂げた中高6年間だったが、渡辺選手は「しんどかった、あんまり思い出したくない」と話す。その理由を「中学校入学すると同時に寮生活になり、毎日バドミントン。しかも朝練もついているみたいな。言い方悪いですけど、生きた心地がしなかった」と冗談交じりに話した。
一方、東野選手は「すごく自然が多かったので、山に登ったり色々なことをしたりしていた。それが一番の思い出。楽しかったことを思い出すとそこしかないかな」という。
それでも渡辺選手は「6年間全部が、今に繋がっていると思う。特に人間形成の部分では、今にも役に立っていることがすごく大きくて、本当にあの6年があったから...当時はイヤでしたけど、振り返ればすごく大事な6年間だった」と話した。

<最強ペアに成長>
練習漬けの6年間を送った2人は、卒業後は日本を代表するペアへと成長した。パリ出場をかけた1年間のオリンピックレースでは、世界選手権で銅メダルに輝くなど安定した成績を残し、パリ行きの切符を手にした。
渡辺選手は「自分たちも経験を積んで、強くなってきている自信がある。1回目は何も分からずという感じだったが、2回目はしっかりと金メダルを獲る準備ができている」と話す。

<2人の決意は...金>
最後にパリへの決意を2人に聞いた。東野選手は「楽しんで金!!...やっぱり楽しめなかったので。東京五輪では、その中でも楽しんでプレーできる人が勝つんだろうなと思ったので、楽しんで金メダルを獲れるように頑張りたい」と話した。
渡辺選手は「シンプルに金!...僕、一番が好きで、一番高いところが好きで、一番輝いている金色が好きで、東京で銅メダルっていう悔しい思いをした。上にはまだいい色のメダルがあるっていうのも、身にしみてわかった東京だったので、パリはやっぱり金が欲しい」と話した。

渡辺東野ペアは、今後シンガポールとインドネシアで行われる国際大会に出場し、それからパリオリンピック本番に臨む。東京より輝くメダルを期待したい。