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東山温泉の新人芸妓 "好きで入った世界"でもてなしの心と伝統をつなぐ《もっと!ぐっと!会津若松市》

※ 動画はこちらからご覧になれます(YouTubeサイトへ)

福島県、会津の奥座敷・東山温泉の東山芸妓。京子さん(26)は、5年ぶりの新人として伝統とおもてなしの心を受け継ぐ。
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<好きで入った世界>
京子さん:「基本の姿勢を身に着けることを意識しておりまして、指先や扇子の使い方だったり。ひとつひとつを身につけることを頑張っておりまして。難しいと感じるんですが、私が好きで入った世界ですから」

2022年に会津東山芸妓となった、5年ぶりの新人だ。

日本舞踊の師匠・花柳真貴夫さん:「花柳界に飛び込んでくる若い子だから、大変だと思うんだけど。芸事一生懸命好きでやってるみたいだからこれから楽しみです」

宮城県気仙沼市出身の京子さん。会津若松市の短大に進学し、卒業後も市内の会社で働いていた。

京子さん:「日本舞踊をしていたおばあちゃんの姿を小さいころ見て、私も踊りをやりたいと思って。8歳から10歳の2年間だけやっていたんですけども、大人になっても"またやりたい"という思いが胸にくすぶっていたんですね」

幼いころに学んでいた日本舞踊への思い。その踊りも含め、会津を訪れた人をもてなす東山芸妓に魅了された。

京子さん:「どうしても踊りをやりたいという思いを、お母さん(女将)が買ってくださって。26歳、少し遅いんですが入れてくださった」

花佳 女将・今村初子さん:「やっぱり踊り好きなので。もう一回挑戦したくて、なっていただいた貴重な存在ですよね」


<歴史文化を伝えるのも東山芸妓の役目>
かつては、150人ほどいた東山芸妓。しかし、平成・令和と時代の移ろいとともに宴席やお座敷も少なくなり、現在は20人ほどの芸妓衆が伝統をつないでいる。
東山芸妓には、唄や踊りだけではなく、会津の歴史・文化を伝えることも求められる。そのための勉強も欠かない。

京子さん:「人がいたとしても、それを継承していける人は数少ないということを、お母さん(女将)から教わったので。お母さん(女将)の思いに応えるためにも、一生懸命歴史を繋いで行ける人物になりたいと」


<会津に骨をうずめる覚悟で>
この日は、贔屓にしてくれている常連のお座敷。姐さんとともに、京子さんも舞台にあがる。デビューから見守る常連も、京子さんの努力と成長を感じていた。
常連客:「踊りも上手になったし、これから会津の伝統文化を守っていただけることを約束した」

京子さん:「"初心を忘れずに、このままのあなたで進みなさい"とよく言われるので、気持ちを忘れずにまっすぐに突き進んでいきたいです。会津に骨をうずめる覚悟で芸妓を目指しましたので、これからもその思いはかわらないです」

人と人を結び、会津の心を伝える東山芸妓。新人芸妓は、この道をひたすらに進んでいく。