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イオンモール北福島(仮称)の開業は1年遅れに 専門家は資材高騰や人手不足、テナント選定の難しさを指摘

2024年12月のオープンを目指す福島県伊達市の大型商業施設「イオンモール北福島(仮称)」は、開業が1年程遅れ2026年にずれ込む見通しであることが分かった。

<イオンモール北福島とは>
建設予定地は、東北中央自動車道の伊達桑折インターチェンジと国道4号線が交差する交通アクセスに恵まれた場所。福島県内だけでなく、山形県や宮城県からの集客も期待できそうな立地にある。
建設予定地の地権者が中心となり、1995年から誘致活動をしていた。
福島県に提出された届け出によると、敷地面積は17万699平方メートルで延べ床面積は11万平方メートル、店舗面積は6万平方メートル。
一日あたり5万7000人の集客を見込んでいる。

<背景に資材高騰や人手不足などが>
県北地域全体の活性化に、大きな期待が寄せられるなかでの開業の遅れ。
地域経済が専門の福島大学の吉田樹教授は、イオンモールの出店は長野県や宮城県でも当初の計画から遅れていると指摘する。その背景には、建築資材の高騰や建築工事をする人材が不足しているという。さらに魅力あるテナントの確保にも課題が...「東北の場合、人口も減っているし、コロナ禍で働き方も変わってきているということもあり、アパレル等で店舗のテナントを埋めることが難しくなりつつある」と吉田教授は話す。

<県北地域の生活環境の魅力は>
JR福島駅前の再開発の遅れや2024年5月のイトーヨーカドー撤退など、"空洞化"が心配される県北エリア。
吉田教授は「県北地域の生活環境としての魅力が高まらないまま、2年間続いてしまう。間接的な課題として認識しておく必要がある。従来の市街地とイオンモールなどの商業地域を結ぶ公共交通のアクセス確保をしていく際に、福島市は福島市、伊達市は伊達市と自治体単位ではなく、生活圏として計画を作っていくことが必要になってくる」と話した。