出水期に備え いわき市で土のう袋配布 2年前の水害教訓に 「勝手橋」の撤去と河川改修へ【福島発】
梅雨入りにより福島県内も本格的な"出水期"を迎えた。水害や土砂災害に備えるために、いわき市では2年前の被害を教訓にした対策も進められている。
■土のう袋を無料配布
いわき市役所の5階にある河川政策担当では、土のう袋が無料で配布されている。1400袋用意されていて、無くなり次第、補充されるということだ。
いわき市が6月2日から市役所などで始めた"土のう袋"の無料配布。これまでに30世帯が合わせて600袋を受け取った。土のう袋に入れる土砂も別の場所で提供されていて、本格的な出水期に備えてもらうのが狙いだ。
いわき市河川政策担当の坂内裕志主任技査は「速やかに土のう積みの作業ができるように、市民の皆様には普段から、土のうを作っていただいて、ご準備していただくのが大変重要だと思っております」と話す。
■2年前の水害を教訓に
2年前の2023年9月、線状降水帯の発生による河川の氾濫などにより約2000棟の住宅が被害を受けたいわき市。洪水発生の要因の1つとされたのが、いわゆる"勝手橋"の存在だった。
福島県いわき建設事務所の吾妻敬一主幹は「こちらが管理者不明橋があった場所でございます。現在は撤去が終わって、フェンスなどで閉じて安全を確保しているとこでございます」と話す。
■管理者不明の"勝手橋"が被害拡大に
2年前の大雨で大きな被害が出たいわき市内郷宮町。
当時、氾濫した宮川で10カ所設置されていたのが、管理者が分からない橋"勝手橋"だ。この橋に流木がひっかかるなどして川の流れが堰き止められ、被害拡大につながったとみられている。
■"勝手橋"の撤去と河川改修へ
そのため、いわき建設事務所はこれまでに4カ所を撤去。残りも撤去に向けて住民と調整を進めている。また、2026年度には川の幅を広げるなどの改修工事に着手することを目指している。
福島県いわき建設事務所の吾妻主幹は「浸水被害が起きてしまったという事もございますので、そういった事がないように、ハード整備を進めていくということでございます」と話した。