世界トップアタッカーと頼れる守護神 デンソーエアリービーズの開幕戦を大林素子が徹底分析
2025年4月にリニューアルした福島県郡山市の「宝来屋ボンズアリーナ」で、バレーボールSVリーグ女子「デンソーエアリービーズ」が10月11日に開幕戦を迎える。
開放的な雰囲気のメインアリーナには、コートを囲むように黒を基調とした5000席以上の座席が並び、4つの大型ビジョンを完備。ファンを迎え入れる準備は万全だ。
■「てっぺん」を掲げ、新戦力も加えてさらなる飛躍へ
昨シーズン、ブロック決定本数でリーグトップ、サーブレシーブ成功率はリーグ3位を誇るなど、堅い守備を武器にプレーオフまで進んだデンソーエアリービーズ。今シーズンは新たに4人が加わり選手は21人となり、戦術面での選択肢も増えた。ユニフォームも刷新し、チームが掲げる目標は「頂(てっぺん)」だ。
キャプテンの川畑遥奈選手は「長いシーズンが始まって、去年達成できなかったてっぺんを取るチャンスが来たという感じ。トップチームが福島県には初めてだと思うので、勇気や元気を福島の皆さんに与えられるようなプレーができるように頑張りたい」と意気込みを語る。
辻健志ヘッドコーチも「私自身も選手の選定、スタメンやメンバーを決めるのに悩むぐらい、選手たちが力をつけているので、そこは楽しみでしょうがない。福島の皆様と郡山の皆様と全員で戦うということがチームの力になります。背中を押してください。勝利を皆さんで勝ち取りましょう」と力強く呼びかける。
■元日本代表・大林素子さんが見所を解説
11日のゲームは福島テレビで実況生中継される予定だ。解説を務めるのは、バレーボール元日本代表で、オリンピック3大会連続出場の実績を持つ大林素子さん。
現在はSVリーグのPRアンバサダーとして活躍している大林さんは、福島との縁も深い。会津若松市の観光大使や会津大学の講師を務めるほか、福島県バレーボール協会の理事も担当。「番組で私のアパートを探してもらって、今は福島と東京の2拠点生活が6年目になる。私の体は福島側になってきている。今回はデンソーが来るのを迎えられるということで、しっかり盛り上げていこうと思っています」と話す。
大林さんがデンソーエアリービーズを分析すると「超攻撃力のある大型チーム。これまでレシーブ・守りのチームというイメージがあったけど、補強もそうですし、若い選手も多くて、とにかく攻撃力が素晴らしいチーム。プラス、守りとのバランスが最高にいいチームに仕上がっている」と期待を寄せる。
■パリ五輪メダリスト・ロザマリア選手の活躍にも注目
今季のチームには、パリオリンピック銅メダリストのロザマリア選手が2週間前に合流。昨季SVリーグの総得点数で2位(927点)を記録した世界トップクラスのアタッカーだ。
大林さんは「パリオリンピック銅メダリストのロザマリア選手は、世界トップアタッカー。まだこちらに来て2週間で体調は75%だと言っていました。出ることももちろんあると思うんですけど、どういう使われ方をするのかも、世界のプレイヤーを見に来てほしいですね」と見どころを語る。
大林さんが最も注目する選手は、キャプテンでリベロの川畑遥奈選手。「アタッカー陣ももちろん素晴らしいけど、そこまでつなぐセッターもそうですが、リベロの川畑遥奈選手。日本代表にも登録されましたし、ノッてるキャプテン。やはりとにかく守護神を私は応援したい」と太鼓判を押す。
昨シーズンはリーグトップのサーブレシーブ成功率54.1%を記録した守備の要である川畑選手の活躍に期待がかかる。
■ファンの声援が選手のエネルギーに
デンソーエアリービーズは、昨シーズンのホームゲームを南相馬市や会津若松市など県内7カ所で計20回開催。福島を熱く盛り上げてきた。
福島との関わりについて大林さんは「デンソー自体が愛知県からこちら福島に拠点を移すということで2年目なんです。まだ残念ながら体育館や寮は今作っているところで、2年後に完全に全部来るような形なんですけども、移動でかなり大変な中、昨シーズンも福島の方が『本当に頑張ってね』と選手に応援してくださる。その声が私たちの頑張る力になりました。だから、やっぱり福島のためにも、私たちが日本一・てっぺんを取りたいというのは選手たちみんな言っていましたね」と、地元の声援がチームにとって大きな力になっていることを強調した。
■10月11日・12日の開幕戦、「最高の試合」に期待
10月11日・12日、「宝来屋ボンズアリーナ」で行われるSVリーグ第1節。デンソーエアリービーズは東レアローズ滋賀と対戦する。
大林さんは見どころについて「両チームすごくいい仕上がりで、緊張感はありますけど、最高の試合を見せてくれると思うので、みんなで盛り上がって選手を是非後押ししていただきたいと思います」と期待を寄せる。
福島を本拠地に「てっぺん」を目指すデンソーエアリービーズ。新たなシーズンの幕開けに、ぜひ会場に足を運び、日本トップレベルのプレーを目撃してほしい。