違反ごみ初の開封調査 警告から1週間 個人を特定し改善求める 勧告に応じなければ氏名公表 福島市
果たして改善に向かうのか?後を絶たない悪質な"違反ごみ"に、福島市が新たな一手に出た。
■街なかの違反ごみを回収
6月11日、福島市が初めて踏み切ったのはごみの開封調査。
ごみを調べて出した人を特定し改善を求める方針で、応じない場合は氏名を公表する。
街なかに放置された"違反ごみ"。出した人に回収を促す赤い警告シールが貼られたが、1週間が過ぎても改善はなかった。
そして、11日午前9時半、福島市の担当者が回収。向かった先で初めて行われたのが...。
■新条例施行後、初の開封調査
ごみに関する新条例が施行されてから3ヵ月、11日初めて市の職員による違反ごみの開封調査が行われた。集められたのは、いずれも警告シールが貼られた5つの"違反ごみ"。段ボールのなかに発泡スチロールなどがあり、分別がされていないものや、植木鉢がそのまま捨てられていたものもあった。
■個人を特定できたのは2件
「配送表が見つかりましたので、写真撮りたいと思います」
今回の開封調査で、個人を特定できるものが確認できたのは2件。それぞれ別の人が出したごみとみられていて、市は今後改善を直接求めていく方針だ。
福島市ごみ政策課の根本裕史課長は「今後も引き続きあらゆる手段を捉えて、分別の徹底、適性排出の協力を呼びかけていきたいと思っております」と話した。
■ごみの排出量と開封調査導入の背景
1日・1人あたりのゴミの排出量。福島市は減少に転じ始めたが、まだ福島県や国の平均を上回る状況が続いている。さらに現状を見ると、福島市の令和5年の違反ごみの件数は9240件に上っている。
スプレー缶などによる発火、市街地に排出された大量の事業系のごみ、カラスによる被害などごみ問題が深刻になっている。
こうした事態を受けて福島市が導入したのがごみの開封調査だ。
事業者に対しては、ごみ集積所への不法投棄を防止するため、大量の生ごみなど事業系ごみとみられるものが対象になる。
また、市民に対しては、燃えるごみの袋に資源物が半分以上混入しているものなど悪質性の高いごみが対象だ。
■違反ごみの行方
11日に開封された違反ごみの今後の行方だが、開封調査後、まずは対面指導が行われる。
その後も改善せず、再び同じ人または事業者からの違反ごみが見つかれば、同じ流れを通って「勧告」。
3度目の違反ごみが確認された際には、市のホームページに氏名や事業名が公表されることになる。