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被害者の父の思い「死んでしまうとそれで終わり」 座間市男女9人殺害事件 白石隆浩死刑囚の死刑執行

神奈川県座間市で、福島県内の女子高校生を含む男女9人が殺害された事件。死刑が確定していた男の刑が、6月27日に執行された。事件から約8年、遺族の悲しみが癒えることはない。

■「死刑になっちゃったのだな」

「きょう死刑になっちゃったのだなっていうのは思って、自分は意識してないけれども体は一瞬熱くなったね、カーっとね」
大切な一人娘が愛用していたカップを手にこう語った男性。8年前の事件で当時県内の高校に通っていた最愛の娘を奪われた。

■「犯罪史上まれにみる悪質な犯行」

神奈川県座間市のアパートで男女9人を殺害し、死刑が確定した白石隆浩死刑囚(34)。
確定判決によると、白石死刑囚は神奈川県座間市のアパートで、SNSで知り合った男女9人を殺害。全員から現金を奪い、遺体を解体して遺棄するなどした。
東京地裁立川支部は「犯罪史上希にみる悪質な犯行」として死刑判決を言い渡した。
その後、弁護側の控訴を白石死刑囚が自ら取り下げ、2021年1月に刑が確定した。

■「死んでしまえばそれで終わり」

約4年半での執行。娘を奪われた父親は、罪を償ってほしいと考え続けてきた。
「最初から相手が死刑になること望んでいない。死んでしまうと、それで終わりでしょ」
娘が生きていれば25歳、悲しみが癒えることはない。
「9人騙される間に捕まらなかったのがちょっとね。うちの子は後の方だから、最初の方で見つかってくれればよかったなってすごく思うね」

死刑執行は2年11カ月ぶりで、確定死刑囚は105人となった。