1人死亡・27人重軽傷の飲食店爆発事故から5年 被害者「納得いく終わり方を」原因究明を求める【福島】
2020年に福島県郡山市で起きた飲食店の爆発事故から5年が経った。被害に巻き込まれた人は、なぜ事故が起きたのか原因の究明を求めている。
■1人死亡27人が重軽傷を負う大事故
2020年7月30日、福島県郡山市島2丁目の飲食店で起きた爆発事故。
国の調べなどでは、調理場に設置されていたガス管が腐食、そこからガスが漏れ爆発につながったとみられている。この事故で1人が死亡、27人が重軽傷を負った。周辺の200を超える建物にも影響が出た。
■被害を受けた写真スタジオ
白岩大和さんは、爆発事故が起きた飲食店の向かいで写真スタジオを経営していた。「当時は本当、言葉がでなかったっていう記憶しかない。もう5年経ったのかっていう気持ちもある」と白岩さんは語る。
爆発事故に巻き込まれ、スタジオは全壊。一時休業を余儀なくされ、被害額は1000万円以上にのぼった。
■事故をめぐる動き
事故を巡っては、郡山市が現場周辺の清掃や災害見舞金の支給などを余儀なくされたとして、飲食店の運営会社などに600万円余りの損害賠償を求めているほか、保険会社や銀行も損害賠償を求めている。
一方、検察は2024年11月にガス設備を点検した担当者1人を在宅起訴。今後、刑事責任について法廷で審理される。
■被害者が納得いく終わり方を
白岩さんは、約2キロ離れた場所に写真スタジオを再建。設立された基金から工事費用の一部などが支払われたが、営業できなかった期間に見込んでいた売り上げなどは補償されていない。
「あれだけ大きな事件・事故だったのに、証拠不十分で。これだけ被害者がたくさんいることなのに、このまま終わってしまうのかという思いが本当に強い。被害者のみなさんが納得いくような終わり方をしてほしい」と白岩さんは話した。
民事と刑事の裁判から、何が明らかになるのか?その行方を見つめていく。
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