ニュース

《津波避難の教訓》幼い子供や高齢者 支援が必要な人の避難 訓練が役立った保育所 新たな気づきも

ロシア・カムチャツカ半島付近で7月30日朝に発生した大地震により、福島県内の沿岸部に発表された津波警報。多くの人の頭によぎったのは、14年前の東日本大震災の記憶か。あの時の教訓は活かされたのか、そして新たな気づきもあった。

■保育所では速やかに避難
「先生達がまずバタバタ、ワーってしてなかったから、子ども達も落ち着いて(避難)出来たのかなって」
海から約1キロにあるいわき市の四倉保育所では、東日本大震災の時に目の前の道路まで津波が迫った経験から、月に1回避難訓練を実施している。そのためか、園児と職員あわせて80人は速やかに避難できた。
6歳男の子は「怖いっていう気持ちになった。おしゃべりをしないとか(気を付けた)」と話し、5歳女の子は「小さい子と手を繋いでゆっくり(避難所に)行った」と話す。

■職員の対応見直しへ
普段と違う環境でも、子どもたちを安心させるために、職員の対応を改めて見直したいとしている。四倉保育所の高木真澄所長は「小さいクラスと大きいクラスに分けていただいて、2部屋使わせていただくとか、歌を歌ったり、手遊びを行ったり、長時間、子供たちが楽しめるような方法は取るようには考えています」という。

■デイサービスセンターでは想定外の事態
一方、約30人の利用者とスタッフがいるデイサービスセンターでは、避難所で想定外の事態も発生した。アイカワ新舞子デイサービスセンターの井出昌美さんは「こういうものを(2Lのペットボトル)用意して、持っていったんですけど、本数3本くらいあったんですけど、それでも足りなくて。普段はトイレに行きたいって言って、水をあんまり飲まない方も、この暑さですので、水を補給して、ちょっと不足でした」と話す。

■持ち出し品の再検討も
水を買い足そうとしたが、近くの店は臨時休業。いざという時の「持ち出し品」の再検討をはじめている。アイカワ新舞子デイサービスセンターの井出さんは「これですと、氷さえ入っていれば、水入れて冷やすことも可能ですので」と話した。