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黄金色の絨毯 錦秋の尾瀬は早くも冬支度 登山客のオアシス 山小屋の「冬囲い」はじまる  

台風の影響も心配だが、この時期は季節の移り変わりを目で楽しめる貴重な瞬間が訪れる。週末の尾瀬では早くも"冬支度"が始まっていた。

■紅葉進む尾瀬
一面に広がる黄金色の絨毯。花の季節が終わりへと向かうなか、尾瀬では主役の交代とばかりに草紅葉の深みが増していた。訪れた男性は「紅葉が始まってて、気持ちいいなという感じですね」と話す。尾瀬に何度も通っているという男性は「(季節の花々だけでなく)紅葉も綺麗です。だから今年一年通してこんないい年はないんじゃないか。私にとって本当、今年は最高の尾瀬です」という。

■今季最後の宿泊客を迎えた山小屋
思いがけない雨となった先週末。
「おつかれさまでしたー」尾瀬のほぼ中央部にある第二長蔵小屋は、10月13日月曜日までの3連休で営業を終えた。宿泊客は「雨は雨ですごい楽しかったです。中々雨の中(尾瀬を)歩くことないから」と話す。
景色を堪能し疲れた登山者たちにとってまさにオアシス。あいにくの空模様となったこの日も約40人の宿泊客が訪れ、冷えた体を温かい食事で癒やして尾瀬の静寂の中で眠りについた。

■冬支度始まる尾瀬小屋
「青空見えてよかったですね」「お世話になりました。また来ます」
宿泊客と来シーズンの約束を交わし、はじまったのは「冬支度」。第二長蔵小屋の加藤直さんは「冬囲いを、板はめこめる所あるから、それをはめ込んでいます。雪が入ったらね、夏営業できないんでね」という。
豪雪地である尾瀬では、冬になると建物全体が埋まるほどの雪が降るため、雪の重みで窓ガラスが割れたり建物がつぶれたりする危険も。「冬囲い」で保護し、溜まった汚れを掃除して小屋を閉め、来年5月の再開に備える。

加藤さんは「これで今年の営業終わるな、今年も無事済んでよかったなと、皆さん大きなケガもなく楽しんで帰っていただけたので、嬉しい思いで最後の作業進めております。来年も是非お願いしたい所ですね」と話した。

尾瀬では11月上旬までに全ての山小屋が今シーズンの営業を終了し、季節は冬へと向かう。