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2025年度の"汚染水"発生量は1日約60t見込み 3年前倒しで計画達成へ<福島第一原発>

東京電力は福島第一原子力発電所で発生する"汚染水"の量について、2025年度は1日あたり約60tと想定されるとし、汚染水の抑制計画を3年前倒しで達成する見通しになったと公表した。

福島第一原発では、事故で溶け落ちた核燃料が周囲の金属などを巻き込んで固まった"燃料デブリ"などに、地下水や雨水が触れることで"汚染水"が発生している。ここから大部分の放射性物質を取り除いて"処理水"とし、海水で薄めて海に放出しているが、この"汚染水"の発生そのものを抑制することも課題となっている。

東京電力が公表した2025年12月末時点の状況によると、2025年度の汚染水の発生量は1日あたり約60t、平年の雨量に換算すると約70tと想定される。
前年度よりも1日あたり約10t減少するとみられ、方針として掲げていた"2028年度までに汚染水発生量を1日あたり約50t~70tに抑制する"は3年前倒しで達成できる見通し。
原子炉建屋の周辺の地表をアスファルト等で覆って雨水の流入を抑制する"フェーシング"と呼ばれる工事の効果などが影響しているとみられる。


福島第一原発では、処理水の海洋放出が2023年8月に開始され、2025年12月には通算17回目の放出が完了、これまでに約13万3,000t(タンク約133基分)の処理水が放出された。
処理水の放出は、敷地を圧迫する1000基あまりのタンクを減らし、廃炉のためのスペースを開けることが大きな目的のひとつ。2026年2月5日の時点で、処理水等の貯蔵量は放出開始前から約6%減少している。貯蔵されている水の中には処理水放出の基準を満たす前の"処理途上水"も含まれている。

次回の海洋放出は2026年3月と計画されているほか、2026年度には計8回の放出を実施し、合わせて約6万2,400t(タンク約62基分)の処理水を放出する計画を公表している。これまでの運用実績をもとに作業の効率化が可能だとして2025年度よりも1回多い計画となる。
また、2026年度中には"処理途上水"の二次処理を開始するとしている。これらは当面の間、二次処理をした年度ではなく翌年度の放出候補にする方針。

国と東京電力は福島第一原発の廃炉の完了を2051年と掲げている。