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2021年04月07日(水) 20:50

《原発処理水》総理「海洋放出が確実・現実的という提言を踏まえる」全漁連は「絶対反対」で5つの要望

4月7日午後に総理官邸を訪問した、全漁連の岸宏会長と県漁連の野崎哲会長。
2人と面会した菅義偉総理は、福島第一原発の廃炉を進めるために「トリチウム水」の処分は避けて通れないとした上で「海洋放出がより確実・現実的な方法という専門家の提言をふまえ政府の方針を決定していきたい」と話した。

全国漁業協同組合連合会 岸宏会長:「漁業者、国民の理解が得られない。専門家のみなさんの提言については絶対に反対であると、重ねて政府に対して申し上げてきた立場は、いささかもかわることはない」

これまで通りトリチウム水の海洋放出には「反対」の立場でいることを伝えたうえで、海洋放出を行う場合には国が責任を持って漁業者や国民に説明することなど、必要となる対応を求めたと言う。

全国漁業協同組合連合会 岸宏会長:「処分そのものについての風評が当然起こるのは必至でありますので。方策対処の仕方、国として明確にどういう方法で対応するのか示して頂きたい」

また、安全性を担保することや安心して漁業をできる方策を考えること、タンクの増設や新たな処理・保管方法などを引き続き模索することを求めた。
これに対し菅総理は、「しかるべき対応をする」と応じた。

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菅総理が「専門家の提言をふまえ方針を決定していきたい」と話したのに対し、全漁連の岸会長は処理水の海洋放出には「絶対に反対」としたうえで、5つの項目を要望した。
1.海洋放出を行う場合には国が責任をもって漁業者や国民に説明すること
2.風評被害は避けられないことから対処方針を示すこと
3.安全性を担保すること
4.安心して漁業をできる方策を考えること
5.タンクの増設や新たな処理・保管方法などを引き続き模索すること

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処分方法については2013年12月から政府の専門家会議がおよそ6年間にわたり議論を進めてきた。
その結果、国の内外で実績があり、モニタリングが比較的に簡単なことなどから「海洋放出」が「より確実」と位置付けられた。

【多くの時間を費やしトリチウムを含んだ処理水の処分方法を議論したのか?】
福島第一原発では、汚染された建屋に地下水や雨水などが入り込み毎日大量の汚染水が発生。専用の装置で処理されほとんどの放射性物質は取り除かれているが、水と性質が似ているトリチウムは取り除けない。そのため「処理水」として行き場を失い、敷地内のタンクで保管されている。

137万トン分のタンクが用意されているが、すでにおよそ9割が埋まり、2022年の秋には限界に達するとされている。
さらに、方針決定から処分を始めるまでには2年程度の準備時間がかかるため、「タイムリミット」がすでに過ぎてしまっている。


【なぜ、ギリギリまで政府は判断を先送りしてきたのか?】
これまでに国は、関係団体や個人から直接意見を聞く機会を複数回設けてきた。その中でも、有力視される「海洋放出」について断固反対を強調してきたのが漁業関係者。

全国漁業協同組合連合会 岸宏会長:「漁業者・国民の理解を得られない、アルプス処理水の海洋放出につきましては我が国漁業者の総意として、また全国の漁業者を代表し絶対反対であります」

市町村議会でも海洋放出に反対する意見の採択も相次いでいた。
しかし、このような意見が政府の政策決定にどのように反映されているかは不透明で、「アリバイ作り」「ガス抜き」など批判も上がっていた。

国は2020年10月に「海洋放出」に決定する方針を固めたが、漁業関係者などからの強い反対を受けて見送りを余儀なくされている。
関係者によると、その後も水面下では全漁連や県漁連などとの意見が重ねられたが、政府の対応がなかなか見えてこない事や、最近の東電の相次ぐ不祥事などの懸念材料が重なり、課題が山積している状況に変わりはない。

福島県の漁業は一時原発事故で大きな被害を受け、試験操業を積み重ねながら復興の歩みを進め、4月からは「本格操業」に向けた移行期間に入っている。復興に水を差しかねない事態に県内の漁業関係者は強く反対している。

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