夏はいわきでサイクリング! 自転車で名所を巡る観光マップ 気軽に歴史や文化に触れる【福島発】
5月20日の福島県内は暑くなったが、いわき市小名浜の最高気温は22.9度と絶好のサイクリング日和だった。いわき市では自転車で観光名所を巡るのに便利な観光マップができた。この観光マップを頼りに記者もサイクリングを楽しんできた。
■自転車で巡る観光マップ
「いわき時空散走マップ」JRいわき駅など5種類のエリアマップがあり、各地域の歴史や文化をイラストで分かりやすく紹介している。
まずはマップを頼りに駅前を散策。「このマップを見て来たんですけど」「はい。私このマップを作る所から参加しています」
1階がカフェ、2階が宿泊施設になっているGuesthouse&LoungeFARO。オーナーの北林由布子さんがリサーチなどを行い、地域の特色をマップに反映させた。北林さんは「若い頃、やっぱり自分の街には何も無いと思っちゃってたところがすごくあって、マップを通じて、地域の『宝物』に沢山触れることで、街の魅力を再発見できるので、(いわき市が)若い人達とも、楽しめるようなそういう所になっていけば良いなと思います」と話す。
■レンタルクロスバイクでサイクリング
この店でレンタルできるクロスバイクに乗って(3時間税込1000円、終日2000円)いざ、サイクリング!
マップで紹介されているいわき駅北口側の観光スポットへ。
磐城平城本丸跡地まで来た。石垣のなかをサイクリングでさらに進むと...城跡の近くには、丹後沢公園がある。この公園は城の内堀だったということだ。
■自転車を活用した街づくり
自転車を活用した街づくりに力を入れているいわき市。4年前に全線開通した「いわき七浜海道」などサイクリングが楽しめる場所が整備されている。
いわき市交流推進課の金賀一樹主査は「復興という事で、やはり市内に賑わいを創出する必要がありますので、七浜海道に県内外の方にぜひ来ていただいて、走行いただいて、市の良さを知っていただきたいという思いで整備を進めております」と話す。
いわき市では、サイクリングをより楽しんでもらうために、いわき駅前に自転車を利用しやすくなるようなハード面の整備を予定している。
■自転車文化の発信・交流拠点
そして、記者が到着したのは、いわき市の自転車文化の発信・交流拠点として4年前にオープンした施設「ノレル?」。
「いわき時空散走マップ」の作成を行うなど自転車に関する情報発信を行っている。
ノレル?の寺澤亜彩加さんは「市内の色んな場所だったり、魅力というのがまとめらたものがなかなか実は(ない)、街歩きの方も無かったんですね。自転車を使って色んな所を巡って欲しいなという思いを込めて、こちらのマップを作成してきました」という。
■サイクリングで歴史や文化に触れる
マップ作りで力を入れたのが、サイクリングを通じて地域の歴史や文化に触れてもらうことだ。寺澤さんは「どんな歴史の上に我々が生きているのかっていうことに、無理やりではなくて、自転車に乗って楽しいよという形で触れていただくと、すごく郷土への愛というのが芽生えてくるんじゃないかなと思っていて、そこが繋がっていくと、良い街、良い地域、良い市っていう風になってくんじゃないかなと思って活動を続けてますので」と思いを語った。
この他にも自転車を使った取り組みは行われている。
「ノレル?」では北林さんなどのサポーターと一緒に自転車で各エリアを巡るイベントも実施している。5月と6月はすでに予約でいっぱいだが、9月から11月にも開催される予定だ。さらに現在の5つのエリアのマップに加えて、2026年度中に10のマップを作成する予定。
また、いわき市とJR東日本などは、5月31日から11月30日までいわき駅から原ノ町駅の間で、サイクルトレインの実証実験を実施。予約制だが、1列車最大10台まで無料で自転車をそのまま車内に持ち込むことができる。
いわき市では自転車を使ったまちづくりが、ますます進んでいきそうだ。