「令和のコメ騒動」に立ち向かえ! 備蓄米をおいしく食べる お米マイスターが教える炊飯の工夫
「令和の米騒動」に立ち向かう人たちを通して、シリーズでコメの需給の混乱について考えていく。県内にもようやくやってくる備蓄米。おいしい食べ方を追求するお米マイスターに古米の上手な炊き方を聞いた。
■味の反応を気にするお米マイスター
福島県いわき市、米の販売や卸売りを手がける相馬屋の井塚雄三さんは、なんと県内に6人しかいないという「五つ星お米マイスター」だ。
店舗でも今後、備蓄米が入荷されたら販売を予定しているが、井塚さんは「古いお米なので、食味の部分でお客様からのクレームがないかは気にしています」と話す。
政府が今回放出するのは、2022年度産の古古米と、2021年度産の古古古米で、保存状態によっては形の崩れや酸化の進行も懸念されるという。
■2024年度産と2023年度産を食べ比べ
ということで、実際に2022年度産の古古米を使って検証してみた。
古古米の水分量は13.4%。一般的な新米は15%ほどなので、ちょっと乾燥している。
この違いが味にどう影響するのか、「2024年度産の新米」に「2022年度産の古古米」「その古古米に米油を加えて炊いたもの」を食べ比べてみた。
◆「普通炊き方した古古米」→味はおいしいが、2024年度産米と比べると若干のパサつきは感じる。少し香りに気になるところあり。
◆「米油を入れて炊いた古古米」→普通に炊いた古古米と比べると、ふっくら炊けている。香りも気にならない。
※試食した記者の感想
侮れない油の力。米粒をコーティングして、みずみずしさを保ちながら独特な匂いも感じにくくなり「新米と意識して食べ比べて」と言われない限り、違和感はほとんどなさそうだ。
■こんな工夫で おいしく
・米をとぐときに最初にきれいな水を入れるとにおいが軽減される。
・ふっくら炊くのに米油がなければ炭酸水を入れるのもおすすめ。
・備蓄米と普通の米を7対3くらいの割合で混ぜるとさらに違和感はなくなるという。
お米マイスターの井塚さんは「備蓄米は安く売り出されるので、ほっとする方多いと思うが、品質のところは各家庭で炊飯の仕方を工夫して、おいしく召し上がっていただければ」と話した。
「令和のコメ騒動」の助け舟となることが期待される備蓄米。みなさんも「おいしく」騒動を乗り切ってほしい。