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トランプ関税に米どころも翻弄 コスト割れを懸念する農家と輸出米の消費落ち込みを不安視する業者

アメリカとの関税交渉がまとまり、日本に課せられる関税はこれまでの25%から15%に変更された。一方、合意のなかにはアメリカからのコメの輸入拡大も盛り込まれていて、生産者には不安も広がっている。

■盛り込まれたコメの輸入拡大
日本に対する25%の新たな関税の発動が8月1日に迫るなか、"15%"でアメリカと合意した石破首相。そのなかに盛り込まれたのが、アメリカからのコメの輸入拡大だ。「アメリカからのミニマムアクセス米の調達・割合を増やすということで思って頂いて結構ですが、今回の合意について農業を犠牲にするということは一切含まれておりません」と石破首相は説明した。

■輸入米とは違う点で勝負
そうした発言の一方、福島県内の生産者からは「輸入米が入ってくることによって、今までよりも安い価格帯で売らなくてはいけないかもしれないので、俺たちもコスト割れしてしまうかもしれない」との声が。
郡山市で農業を営む古川勝幸さんは、約6.5ヘクタールの田んぼで福島県のオリジナル品種「福、笑い」などを育てている。「輸入米とバッティングしないところを作らないと負けてしまうので無農薬栽培を始めた。私は私なりに、自分の作る道は変えないで、お客さんに喜んでもらえるコメ作りをしたい」と話し、輸入米の動向を注視しながら、これからも無農薬栽培にこだわっていきたいと考えている。

■15%だが...先行きに不安
一方、アメリカにコメを輸出している福島市の高橋義和さんは「やはり25%までいってしまうと、実際本当に日本からの輸出物が余りにも値段が高くて輸出量が減ってしまうということもあった」と話す。
そうしたなか、関税は15%に変更されたが、それでも現在と比べると5%アップ。「5%関税が上がり商品に対しての価格がオンされることによって、その消費が落ち込むのでは無いかという懸念はある」と先行きを懸念している。

"トランプ関税"に福島県内も翻弄されている。