福島県の盆の入り 浪江町では墓前に手を合わせる人 いわき市では伝統のじゃんがら念仏踊り
8月13日は盆の入り。福島県内は4日ぶりの青空のもと、多くの人が静かに手を合わせた。
■浪江町 変わらぬお盆の風景
福島県浪江町谷津田地区にある墓地には、朝から家族連れなどが訪れ、花を供えたり墓の周りを掃除したりして先祖を供養していた。
原発事故により、かつて水田だった場所に広がるメガソーラー。地区の姿は大きく変わったが、静かに手を合わせる「盆の入り」に変わりはない。
訪れた人は「しょっちゅう来られないけど、元気でやっているよと。毎年きょうまでまだ生きてたよってね」と話した。
■念仏踊りで供養
一方、いわき市には太鼓と鉦(かね)の音色が響いていた。
いわき市のじゃんがら念仏踊りは、江戸時代から続く市の無形民俗文化財だ。新盆を迎えた家を訪ねる。
新盆を迎えた家の人は「昨年父が亡くなりまして、その弔いを兼ねて。本人もじゃんがら念仏踊りが好きだったので、本当に喜んでいると思います。いわきには欠かせない踊りなので」と語る。
14日までに25軒をまわる下神谷じゃんがら保存会。少子高齢化などにより担い手が減っているが、若い世代にも伝統は受け継がれていた。
小学3年生の大山朔弥さんは「亡くなった方が喜んでくれると良い。練習通りできて良かった」と話し、高校2年生の坂本こころさんは「若い世代の私達がどんどん発信していって、担い手の人達を少しでも多くして残していきたい」と話した。