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猛暑&残暑の影響は?2025年の紅葉 色づき懸念...樹木医が心配する3つの理由 2023年の再来か!?

今年の秋を彩る紅葉はどうなるのか。北海道の大雪山系黒岳ではすでに紅葉が始まったとの情報が入ってきている。一方、本州ではまだこれからだが、福島県樹木医会の鈴木俊行会長は「今年の紅葉は色づきが心配です。3つの理由があります」と懸念を示している。

■ 色づきを心配する3つの理由
鈴木会長によると、今年の紅葉に関する懸念点は以下の3つだという。
1.猛暑ですでに紅葉→落葉の異常紅葉
記録的な猛暑により、木が自らの命を守るため通常より早く紅葉し、そのまま落葉してしまう現象が起きている。
2.雨不足で葉が変色
長期間の雨不足により、木々の葉が本来の美しい色に変わらず、変色してしまっている。
3.南会津を中心としたナラ枯れ
南会津地域を中心に、ナラ枯れという病害が広がっており、これも紅葉の美しさに影響を与える可能性がある。

■2023年の記録的猛暑時の紅葉状況
2025年と同様に記録的な猛暑と残暑に見舞われた2023年の紅葉はどうだったのか。福島県の名所における当時の状況を振り返ってみた。
◇磐梯吾妻スカイライン(2023年10月14日撮影)
例年であれば鮮やかな赤色に染まるはずだが、赤色が少なく、全体的に黄色やオレンジ色が目立った。
◇安達太良山(2023年10月16日撮影)
「奇跡のじゅうたん」と呼ばれる紅葉スポットも、やはり赤色の発色が弱く、黄色やオレンジ色が主体となっていた。
◇中津川渓谷(2023年10月24日撮影)
本来ならば彩り豊かになるはずの渓谷も、高温の影響で色彩が鮮やかではなかった。
◇甲子高原(2023年10月24日撮影)
山全体が赤く染まるイメージがあるが、全体的に緑が多く残り、例年に比べて色づきが劣っていた。
福島テレビの斎藤恭紀予報士は「2023年も結局、赤が綺麗にならずに終わってしまった」と解説。今年も同様のパターンになる可能性を指摘している。

■今年の紅葉見頃予想
今後の天候次第ではあるものの、まだ希望はあるという。「日照があって気温差があれば、より色づきます。まだ余地はあります」と斎藤予報士。ただし、「素地があんまり良くないということは言える」とも付け加えた。
浄土平ビジターセンターによると、今年の紅葉は例年より半月ほど遅れる見込みだという。
- 登山して見られる鎌沼:9月末ごろ
- 磐梯吾妻スカイライン:10月10日ごろ

磐梯吾妻スカイラインの紅葉ドライブを計画している人は、10月10日前後を目安にするとよいだろう。ただし、この時期は渋滞も予想されるため、時間に余裕を持って出かけることをお勧めする。
今年の紅葉が例年のような鮮やかな赤色を見せてくれるのか、それとも2023年のように色づきが弱いものになるのか。今後の気象条件が大きく影響することになりそうだ。

※2025年9月15日(月)に放送した福島テレビ「テレポートプラス」の天気コーナー「福テレ空ネット」から抜粋した記事です。