因縁の相手・松本山雅を迎え撃つ J3・福島ユナイテッドFC 超攻撃的サッカーの要・樋口寛規の決意

サッカーJ3リーグも終盤戦へ。リーグ戦も残すところ、あと9試合。
悲願のJ2昇格を目指す福島ユナイテッドFC、前節は痛い連敗を喫したが、練習はいつも通り。選手たちは早々に切り替え、次の試合を見据えているようだった。
現在10位につけ、J2昇格プレーオフに進める6位・奈良との勝点差は「7」。勝利を重ね追い上げていきたいなか、10月5日に"因縁の相手"をホームに迎える。
■因縁の相手・松本山雅FC
20254年12月2日。夢のJ2まで、あと2勝...クラブ史上初めて挑んだ、昇格プレーオフ。準決勝の相手は松本山雅FC。
前半10分に樋口のゴールで先制に成功するも、元J1クラブ・松本山雅が立ちふさがる。同点に追いつかれ、リーグ順位が下だった福島は規定によりあと一歩のところで昇格を逃していた。
福島のキャプテン針谷岳晃選手は「泣くこと自体があまりなかったので、それぐらい思いがあったゲームだった。すごく人生の中でも記憶に残るゲームだった」と振り返る。
■今年も貫く超攻撃的サッカー
「敗れた悔しさ」と「プレーオフへ進んだ手応え」を胸に臨んだ今シーズン。
寺田体制2年目も、パスを繋いで崩し切る超攻撃的サッカーを貫き、さらに磨きをかけた。
寺田周平監督は「色々なゲームをやっていく中で、毎回課題をみつけてそれを修正してやってきているつもり。当然シーズンの最初に比べたら、色々なものが積みあがっている。ただ、その積みあがったものを、どれだけピッチで表現できるかが大事になってくる」と語る。
■攻撃をけん引する3選手
J3屈指の攻撃力を誇り、ここまで29試合を終えてリーグ2位の「48得点」。
5日の松本山雅戦も、攻撃をけん引する3トップに期待がかかる。
ドリブル突破で沸かす福島の"ナンバー10"森晃太選手。
8月にJ1・町田から加入、チームに推進力もたらす芦部晃生選手。
そして、在籍10年目のベテラン、チームトップの9ゴールをマークしている樋口寛規選手だ。
樋口選手は「もっと点をとれば勝てた試合もあった。チームとしても個人としても満足していない。もっと点をとれるようにできれば」と語る。
樋口選手にとって、次節はJリーグ史上初となるJ3・300試合到達の節目の試合。樋口選手のメモリアル弾を筆頭に、2024年の悔しさを晴らすアタッカー陣のゴールラッシに期待したい。
「去年のプレーオフの悔しさは忘れていない。もう1回、昇格するために、あの舞台に立つために、自分らで残りやるしかない。まずは目の前の試合を勝てれば、というか、勝つしかない」と樋口選手は語った。
■ホーム戦はとにかく点が入る!?
悔しい思いをした分、この試合にかける思いはいつも以上に強い。因縁の相手に勝って勢いに乗っていきたいところだが、試合が楽しみになるデータがある。
福島のホーム戦はとにかく点が入るという。
今シーズン14試合で、得点がとれなかったのは1試合だけ。複数得点が10試合、3点以上入った試合が6試合もあった。
かつ、先に点をとった試合は9勝4分1敗と、ほとんど負けていない。
そして、得点の"時間帯""も象徴的で、最初の15分も多いが、ラストの15分は一番多い13得点。うち追加タイム=アディショナルタイムに7点も入れている。
最初から最後まで目が離せないのが、今シーズンの福島ユナイテッドFCだ。
また前出の3トップに加え、もう1人キーマンがいる。
それが、清水一雅選手だ。今シーズン7ゴールをあげ、このうち5ゴールが途中出場でのもの。そして3ゴールは後半アディショナルタイムに決めたものだ。
今回はどんな結末が待っているのか!?
昇格への可能性を繋げる大事な一戦は、10月5日(日)午後1時にとうほう・みんなのスタジアム(福島県福島市)で行われる。