ニュース

そろそろ暖房の準備も...灯油価格が高止まり 農家も負担に 古い灯油は暖房器具の故障につながる危険 

そろそろ暖房の準備...と思っている方も多いのではないだろうか?あらゆる物価が上がる中で、灯油価格も高止まりが続いている。

■ガソリンスタンドは灯油価格の高止まりを懸念

秋も徐々に本格化するなか、動き出し始めているのが灯油の販売だ。福島県郡山市のガソリンスタンドの灯油価格は1リットル当たり115円となっている。北日本エネルギー・三代川大輔さんは「例年に比べ少し高いねなんて声は(お客様から)頂きます」と話す。

郡山市のガソリンスタンド。10月から徐々に灯油を買い求める人が出てくる中で、価格の高止まりが顧客の消費行動にどう影響するか懸念している。北日本エネルギーの三代川さんは「世界的に見ても原油の取り引き価格っていうのは、少しずつ値上げはしている状況なので、直近で直に大幅な値下げっていうのは見込めない状況です」という。

資源エネルギー庁によると、福島県内の最新の灯油店頭価格は、18リットルあたり2181円。過去10年の推移をみると、10年前の同じ時期では1362円、それが年々高騰を続け、2024年と比べても100円以上高くなっている。



■農家も灯油価格を注視

灯油を大量に使う農家も価格の動きを注視している。
郡山市にある降矢農園。来シーズンに向けて、農業用ハウスで1万4千株のイチゴを育てている。重要なのが温度管理。10度以下になると生育が遅れるため、夜間は灯油などを使いハウス内を一定の温度に保つ必要があり、灯油価格の高止まりが負担となっている。
降矢農園の降矢和敏代表は「3台で1時間に40リットル燃えるんですよ。そうすると、12時間燃えたら大体500リットル、そうすると1リットル100円くらいだと毎日5万円くらいずつ燃えていく計算になっちゃいますね」と話す。

熱が外に逃げないようビニールのカーテンを使用したり、温度設定を生育に支障がない範囲で下げたりと努力を続けているが、燃料代削減への効果は限られているという。降矢農園の降矢代表は「毎年上がっている感じはどうしてもしてまして、とても重く感じられますね」と語る。

気温が低くなるこれからの季節。灯油の需要の高まりとともに家計や経営への負担も増していきそうだ。

■暖房器具に古い灯油は使わない

一方で、暖房器具を使う際には改めて火災などへの注意が大切だ。
石油ストーブに誤ってガソリンを給油した場合の実験動画。郡山消防本部管内では過去5年間で石油ストーブが原因とみられる火災が17件発生している。特に注意したいのが古い灯油の使用だ。
郡山消防本部・危険物係の堀江健太郎消防司令補は「古い灯油を使用しますと、ストーブの点火をしようとしたときに異臭がしたりですとか、消火ボタンを押してもなかなか火が消えないといった異常燃焼を起こすことがありますので」と注意喚起する。

左側が古い灯油を100時間使ったストーブ。消火ボタンを押しても火が消えず、機械の故障など引きおこす。「温度が高いところですとか、日光がよく当たる場所に置いておいたものとかは劣化が早くなるので、基本的には前のシーズンに使ったものを持ち越しで使わないようにしていただければと思います」と郡山消防本部の堀江さんは話した。

また、ストーブの上で洗濯物を干そうとして火災につながったケースも起きている。暖房器具の取扱いには十分注意を。