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システム障害の影響続く アサヒグループの商品が品薄に 卸売業者も飲食店も困惑 他社製品への切り替えも

飲食業界をめぐってはいま、大きな問題も。サイバー攻撃によるアサヒグループホールディングスのシステム障害、福島県内でも先が見通せない状況が続いている。

■配送倉庫もアサヒ商品が品薄に

「こちらがスーパードライの19リッターで、いつもですと、これがいっぱいに2段積んである状態です」福島市や伊達市の飲食店向けに酒の配送を行っている倉庫。10月8日夕方の時点で「アサヒスーパードライ」や「アサヒ樽ハイ倶楽部」などの商品が品薄になっていた。
追分・商品企画課の飯澤優子次長は「問屋さんからの入荷が数日間なくて、発注もできなくて、次何本入るかまだ分からない、何日に入るかも分からない状態です」と話す。



■システム障害の影響続く

9月29日にアサヒグループホールディングスが公表したサイバー攻撃によるシステム障害。10月2日にビール工場での製造は再開されているが、システムによる受注・出荷は停止の状態が続いている。卸売業者にもいつ商品が入荷するか分からない異常事態。問い合わせを続けているが、飲食店には他社製品への切り替えの提案も行うなど対応に追われている。
追分の飯澤次長は「たくさんあって当たり前というの商品でしたので、この状況が正直まだ、見て、どうしたら良いかという...」と困惑を隠せない。



■飲食店に混乱広がる

飲食店にも混乱は広がっている。福島市の繁華街にある「炭火焼酒夢来(さむらい)忠司」。1988年の開店以来、生ビールはスーパードライ一筋で提供を続けてきた。しかし、今後の入荷は不透明。在庫が切れた場合に他メーカーに切り替えることは考えられないと話す。
炭火焼酒夢来忠司の田代公子さんは「これお願いしますって言ったらどこのメーカーでも大丈夫なんだかわからないですけど、アサヒだけばっかり使ってたから...」と話す。



■他社製品への切り替えも検討

影響はほかの店でも。「にかい也(や)」は開店から22年間、アサヒグループ製品を使い続けてきたが...「一番早かったのは(チューハイ用の)シロップ類とか。入荷なくなってしまった。それが一番困りますね」とにかい也・渡邊秀夫さんは話す。
この日配送に訪れた卸売業者とはこんなやりとりが。
渡邊さん:「違うところから持ってきた?」
追分従業員:「はい、そうですね。別なエクスプレスの方の倉庫からお持ちしました」
複数の倉庫から在庫を探してもチューハイ用のシロップの入荷はわずか。また、多い日は一日10リットルほど提供する生ビールも他メーカーへの切替を検討せざるを得ない状況だ。
にかい也の渡邊さんは「アサヒでずっときてるので、そのままずっと続けて。で無くなったらば、もうどうしようもないから。その時は切り替えるというような」と話した。

影響はいつまで続くのか。関係者の不安が募る。