「増産」から「需要に応じた生産」へ 高市政権のコメ減産検討に農家は戸惑い 政治に翻弄される農家
石破政権で「増産」に舵を切られたコメ政策だが、一転「需要に応じた生産」にトーンダウン、生産の現場には戸惑いが広がっている。
■生産現場に戸惑い
「(離農した人から)借り受けしていま耕作させてもらっている田んぼな訳なんですけども」約12ヘクタールの田んぼでコシヒカリなどを育てる福島県会津若松市の中島吉昌さん。「増産という言葉が出たときにはよかったなと。自分たちの手間代、作業代がやっとこれで捻出できるかなという感じになってきたので」と話す。
■2ヵ月半で"増産"からトーンダウン
「令和のコメ騒動」に端を発したコメ政策の方針転換...8月7日、石破前総理は「コメを作るなではなく、生産性向上に取り組む農業者の皆様方が、増産に前向きに取り組める支援に転換を致します」と表明した。
石破政権が増産に舵を切って約2ヵ月半、高市新政権では...10月24日、高市総理が「稼げる農林水産業を作り出します」と所信表明演説。
高市内閣の鈴木農林水産相は「大幅に増産して、これからもずっとこの増産のスピードが同じで、果たして本当にそれに見合った需要がすぐにあるのだろうかと。需要を見誤らないように、そしてそれに合わせた生産をするということが、安定的な翌年への生産につながると思います」と述べた。
■政治に翻弄される農家
増産から「需要に応じた生産」へのトーンダウン...中島さんは高齢化などで離農した人の田んぼも引き受けていて、来年以降に向け、作付面積を増やし新たな機械を導入しようと準備を進めていた所だった。中島さんは「どういう風に自分の生活に絡んで影響でてくるのか、まだ皆目わからない状態なので。農家が安定して作物生産できる、そういう感じに持って行ってくださればなと」と話す。
農家を翻弄する政治...生産者にも消費者にも「先の見通せる」政策が求められる。















