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国道沿いにずらり...案山子に込めた思い 地域を盛り上げ人に癒しを 只見線の全線再開通がきっかけ 

国道沿いで目を引くのは様々な衣装に身を包んだ案山子。地域を盛り上げようとする住民の思いが注目を集めている。

■案山子が地区の至る所に
福島県金山町大塩地区の至る所で設置されているのは無数の案山子。製作したのは地区の有志たちだ。きっかけは3年前、豪雨被害を乗り越えた只見線の全線再開通だった。
只見線復興応援かかし会の伊藤篤さんは「どんどんどんどん人口が少なくなっていくという中で何かやってみようというときに、少しでも人がいるような感じになればということで」と当時を振り返る。

■只見線の全線再開通がきっかけ
只見線の利用者を歓迎するため案山子を使って再開通を盛り上げようと、設置したのが始まりだ。
案山子はプラスチックゴミや空のペットボトルなどを再利用して作られていて、列車の中からでも見えるように、古着などを使って飾り付けられている。

■地域の名物になった案山子
「ほらきた~」と只見線沿線歓迎の"お手振り"。「最初はちょっとやっぱり不気味だとか怖いだとかっていう声もあったんですけど、徐々に浸透してきて」と話す只見線復興応援かかし会の伊藤さん。
はじめ5体だった案山子は、この3年間で約50体に増え、訪れる人に癒しを与えている。衣装は年に数回、季節に合わせて衣替え。10月はハロウィンに合わせて、とんがり帽子を被った金山町の公式キャラクター「かぼまる」なども登場した。
伊藤さんは「観光に来た方がね、いや~来てよかったなというようなことを1人でも多くなるようにやっていきたいと思っています」と話す。

金山町大塩地区の案山子は、冬の間は雪を避けていったん片付けられるが、春にはまた、訪れる人たちを歓迎することになっている。