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福島臨海鉄道 旅客輸送が復活!? 新スタジアム整備で再開可能性が急浮上 地域発展支える鉄道の今後は?

サッカーJ2いわきFCの新スタジアム整備に伴い、福島臨海鉄道で旅客輸送が再開する可能性が浮上してきた。

■新スタジアムがきっかけ?
福島県いわき市で貨物輸送を行う福島臨海鉄道によると、サッカーJ2いわきFCの新スタジアムがいわき市小名浜に整備される計画に伴い駐車場不足が懸念されることから、いわき市側より旅客輸送が再開できないかという打診があった。
福島臨海鉄道・鈴木章夫取締役総務部長は「いわき市の活性化を考えた場合、協力していきたい」とコメントしている。

■可能性を探る段階
旅客営業を再開するためには、国交省の認可やプラットホームなど旅客用の駅の整備などが新たに必要になる。
運行日は新スタジアムの試合開催日を想定しているが、運行日の日程も採算も含めてこれから検討していく段階。
現時点では、旅客輸送再開に向け可能性を探っている段階で、再開されるかどうかはまだ不透明だという。

■そもそも福島臨海鉄道とは
福島臨海鉄道は、福島県いわき市のJR常磐線の泉駅と福島臨海鉄道小名浜駅を結ぶ、総延長およそ5キロの貨物輸送を行う鉄道。
もともと福島臨海鉄道は1907年に前身となる小名浜馬車軌道として開業。塩や魚の輸送と共に旅客輸送も行っていた。しかし1972年、利用者の減少を背景に旅客営業を廃止。
現在は、いわき市内の工業団地から小名浜港に集まる化学薬品や紙類・肥料・洗剤などをコンテナに積み込み、JR常磐線の泉駅まで貨物列車で運んでいる。
福島臨海鉄道で運ばれたコンテナは、泉駅からJR貨物にバトンタッチし東京方面・全国へ輸送されている。(逆に小名浜に到着するコンテナもある)

■過去には
福島テレビのニュースライブラリーによると、1997年には福島臨海鉄道の機関車がJR東日本の客車をけん引し小名浜まで旅客運用をした事例があった。そのほか2000年ころにはいわき市小名浜で行われる花火大会の混雑緩和のため、いわき市の要望を受け、JR東日本のディーゼルカーを借りて福島臨海鉄道の運転士が泉駅から小名浜駅まで旅客臨時列車を運行した実績もある。

今後、福島臨海鉄道で旅客輸送再開されれば、いわき市小名浜周辺の駐車場問題の解決やアクセス向上につながる可能性もあり、今後注目される。

※2025年11月11日(火)に放送した福島テレビ「テレポートプラス」の天気コーナー「福テレ空ネット」から抜粋した記事です。