3号機 "マイクロドローン"投入 トラブル発生で2025年中の実施は断念<福島第一原発>
燃料デブリの大規模取出しが計画される福島第一原子力発電所3号機で、東京電力は、超小型の"マイクロドローン"による内部調査を12月にも開始するとしていたが、トラブルにより「2025年の実施は断念する」と公表した。
3号機は事故後、原子炉への注水などで格納容器内の水位が高い状態にあり、格納容器につながる経路として整備されているのは比較的高い位置にある内径の小さい配管のみとなっている。今後は内径の大きなアクセスルートの開拓が必要だが、現状の調査として約12cm四方の"マイクロドローン"をこの細い配管から格納容器の中に飛ばし、映像取得などの情報収集をしたい考え。
国と東京電力は11月27日、福島第一原発3号機で"マイクロドローン"を格納容器内に送り込むための装置の設置が完了したと公表。12月第1週にも、実際にドローンを投入して内部調査を行う方針としていた。
しかし、12月1日にマイクロドローンを格納容器の中に送り込むテストをしようとしたところ、ドローンを送り込むための装置が目的の場所まで進まず、途中で止まってしまうトラブルが発生。東京電力は遠隔操作室での通信環境に問題はないとしていて、経路に干渉物があって引っかかっている可能性などを想定しながら、原因を調査していた。
しかし、12月16日に「現段階で原因の特定に至っていない」とし、不具合の解消に時間を要するとして「2025年中の実施を断念」とした。
3号機では、ドローンが格納容器の中で水に浸かって不具合を起こしてしまわないよう、9月1日から原子炉の注水量を減らして水位を下げる作業を開始し、10月17日に完了した。
マイクロドローン調査開始時期は当初「2025年10月以降」としていたが「訓練や作業の進捗から難しいと判断した」として一度「11月以降」に見直し。水位計の不具合などによる作業遅れや現場の確認状況も踏まえ、10月30日にはさらに「12月開始予定」と見直した。
今回、さらに実施が遅れたことになる。















