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衆院選2026【福島3区】 県半分の面積...会津・県南エリアでの冬の戦い 事実上の一騎打ち

第51回衆議院選挙、福島県内の各選挙区について詳しくお伝えする。福島3区は自民党の元職と中道の前職との事実上の一騎打ちとなっている。真冬の選挙戦で、雪も立ちはだかるなか両陣営の戦い方にも注目だ。

■自民党の元職・上杉謙太郎候補の選挙戦

雪の中を駆け抜ける街宣車。冬景色の喜多方市で支持を訴えていたのは自民党の元職・上杉謙太郎さん。

前回2024年の衆議院選挙では、自民党のいわゆる「裏金問題」をめぐり、公示日の2日前に急きょ福島3区から無所属での立候補を決断。
ポスターの掲示が公示日に間に合わないなど準備が整わないなか、中道改革連合の前職・小熊慎司さんに敗れた。

それから約1年3カ月。課題だった会津エリアでの浸透にも力を入れ、今回は自民党公認候補として準備万端。
雪で街頭演説に人が集まりにくいことを考慮し、地域の集会所などを活用した小規模な演説会を多く展開している。

そんな真冬の選挙戦を戦うホットな味方は、喜多方市で通い詰めた焼肉店だという。「ここに来ると、自民党支部の皆さんとか、3区の皆さんとここで総会をやって。ここで焼肉食べて、懇親するっていうのをやっているので、ここに来たらコレみたいな」

■中道改革連合の前職・小熊慎司候補の選挙戦

一方、その前日。中道改革連合の前職・小熊慎司さんの姿は、上杉さんの地盤・県南エリアにあった。
前回は2万8000票以上の大差で当選を果たしたが、県南9市町村では約9000票差で負け越していた。
昼食の時間も惜しんで街頭演説に走り、票の切り崩しを狙う。
「生活者を無視して、こうして解散も行われていますので、まさに生活者ファーストなのか生活者ワーストなのかどちらかを選ぶ選挙になると思います」

『選挙は毎回自分との戦い』と話す小熊さんだが、今回は「雪との戦い」でもある。寒さを乗り切る秘訣は...肌身離さず持ち歩くカイロだ。

■無所属の新人・金山屯候補の選挙戦

「東京都をぶっ壊す。人をどこに置くのか、福島県。もっとも戊辰戦争で影響を受けた福島県に日本の首都を移したい、移すべきだ」

会津若松市で第一声を上げたのは、無所属の新人・金山屯さん。
陣営には福島県内の首長選挙に数多く立候補してきた高橋翔さんが付き、サポートする。

キャッチコピーは「戊辰戦争150余年に亘る屈辱を晴らす」
各地の観光地や庁舎を巡り、SNSや動画配信なども活用しながら福島県への首都移転や皇室典範の改正などを訴える。


■自民・中道の熱戦

高い内閣支持率を追い風にしたい自民党と、新党結成で公明票を取り込みたい中道改革連合。
公示日当日には高市総裁が福島県内を訪れ、上杉さんに熱いエールを送った。
選挙戦中盤には小泉進次郎さんが駆け付けるなど、党本部のバックアップを受ける上杉さん。
「農林水産業から地域の経済まで、そして教育も医療も。高市総理総裁が掲げる、その強い経済を私がしっかりとこの地元に波及させます。東京の、その政策を私たちの地元に波及させる、その架け橋に、この上杉謙太郎ならせていただきたいと思います」と訴える。

一方、地盤の会津で行われた小熊さんの演説会には、公明党出身で中道改革連合の比例候補が出席し強固なつながりを強調した。
小熊さんが訴えるのは『生活者ファースト』の理念に基づく、物価高の克服と東京一極集中の是正だ。
「大事なことはやっぱり経済を成長させる、そしてその経済成長は東京一極集中ではなくて、やはり地方の皆さんにその恩恵が行き届くようなこの仕組みの中で、人への投資、そして社会保障医療負担の減額や本当の意味で手取りを増やしていく」と訴える。

雪との戦い、そして相手候補の地盤に攻め込む戦い。激しいつばぜり合いは最終盤を迎えている。

■記者解説「事実上の一騎打ち」

雪との戦いでもある選挙戦、福島3区の構図について、福島テレビ選挙担当の石山美奈子記者が解説する。
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前回の選挙から区割が変更になったことで、福島県の面積の約半分という広さになった。会津を地盤とする中道・前職の小熊さん、そして県南を地盤とする自民・元職の上杉さん、2人の事実上の一騎打ちになると見られる。

前回は、会津地盤の小熊さんが勝利した。小熊さんが3万票近い差をつけたが、上杉さんの立候補表明が公示日の2日前だったというドタバタの影響があったものの、市町村別の勝敗を見ると上杉さんも県南をしっかりと固めている。

今回は、高市旋風のなか自民党公認を得て悲願の勝利を目指す上杉さんだが、初めて「中道」候補として選挙戦に臨む小熊さんも参院1期、衆院5期という経験をもとに選挙戦を展開している。
また、公明党の票だけでなく、今回は候補者の擁立を見送った共産党の票がどう動くのかということも結果を左右しそうだ。
無所属・新人の金山さんは、独自の選挙戦を展開している。

この雪の影響について、上杉さんの陣営は「街頭演説ではなく屋内での演説会を多く実施し浸透を図る」。金山さんは「直接の訴えはもちろんSNSにも力を入れている」。小熊さんの陣営は「選挙カーでの訴えが聞こえにくくなる。会津の日程の一部を県南に振り分ける」などとしている。

異例の真冬の短期決戦、候補者にとっても自身の訴えの浸透に苦悩する選挙戦となりそうだ。