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衆院選2026【福島4区】 野党共闘が崩れ多党化 復興の歩みを進める浜通りは誰を舵取り役に?

第51回衆議院選挙、福島県内の各選挙区について詳しくお伝えする。復興へ歩みを進める浜通りが舞台の福島4区。最大のポイントは野党共闘が崩れ「多党化」したという点。組織票の行方に注目だ。

■中道改革連合の前職・斎藤裕喜候補の選挙戦

「一日でも早く皆さんの生活を守っていく。日本の平和を守っていく、そして子供たちの未来を守っていくために、斎藤裕喜、これからもしっかりと皆さんのために取り組んでまいります」

中道改革連合の前職・斎藤裕喜さんは、前回の衆議院選挙では比例復活で当選。今回は小選挙区での勝利を目指す。
いわき市内の演説には、公明党の元国会議員も駆けつけ、新たなパートナーをしっかりとアピールした。

組織票が複雑に入り組む選挙戦のなか、斎藤さんのホッとする存在が、秘書として支える妹の久美子さん。兄妹同士"あうんの呼吸"で、過酷な選挙戦を乗り切る。
久美子さん:「身内なので、表情が読み取りやすい。お腹すいたとか、のど乾いたとか、トイレ行きたいとか」
斎藤さん:「赤ちゃんじゃないか」
久美子さん:「そういうサポートは出来るかなと」

斎藤さんが掲げるのは新党の理念『生活者ファースト』だ。
「食料品の消費税ゼロ%の恒久化を訴えているのは、私達、中道改革連合です。しっかりと、この浜通り・いわきを守っていく。皆さんの暮らしを第一にする」

■国民民主党の新人・山口洋太候補の選挙戦

一方、選挙戦のカギを握る労働組合票を分け合うのが、国民民主党の新人・山口洋太さん。現役の医師で、2年前の県議会議員選挙にいわき市選挙区から無所属で立候補し初当選した。

今回は国民民主党の公認候補として、県内の小選挙区で初の議席獲得を目指す。
「まずは浜通りの医療体制を強化して、医療から福島の復興・浜通りの復興を強く・強く進めていきたいと思っております」
大票田のいわき市に約1万とされる労働組合票。その一角を占める電力総連出身の県議も、票の掘り起こしを狙い応援に駆けつける。

山口さんにとって初めての国政選挙。真冬の選挙戦を乗り切るホッとする存在は、妊娠4カ月の妻・玲美さん。スタッフの一人としてSNSの発信などに取り組んでいる。玲美さんは「結構、緊張しているので、元気づけられたらなと思います」と話す。

得意の医療分野に加え、積極的な経済対策も訴える。
「国民民主党はもっともっと、皆様の手取りを増やす政策、年少扶養控除の復活。更なる年収の壁の引き上げ。皆さんの手取りを増やす政策を強力に取り組んでいきます」

■共産党の新人・熊谷智候補の選挙戦

4度目の衆議院選挙に挑むのは共産党の熊谷智さん。
『比例東北ブロックでの議席奪還』につなげようと、参議院議員の岩渕友さんと共に「原発ゼロ」を訴える。

浜通りを北から南へ。真冬の選挙戦の頼もしい相棒が...がんで闘病中の仲間が編んでくれたというネックウォーマー。「これを着けて有権者に堂々と訴えてくれっていう思いがこもったネックウォーマーなので、心強いです」と熊谷さんはいう。

仲間の想いと共に浜通りから「原発ゼロ」を訴える。
「日本を再び原発列島にするなという願いの一票は、全てこぞって日本共産党へ。私、熊谷智へと託してください」

■自民党の前職・坂本竜太郎候補の選挙戦

一方、2期目を目指すのは、自民党の前職・坂本竜太郎さん。
県内の小選挙区で唯一、自民党の議席を守った前回2024年の衆議院選挙では...「その自民党に気合を入れて、しっかり健全な責任ある政権運営をさせてくださっているのが友党・公明党さんであります」と連呼していた自公連立が終わり、新たに日本維新の会との連立が成立した。

新たな枠組みで迎える初の選挙戦。いわき市で開かれた総決起大会では小泉進次郎さんがマイクを握った。

有権者と握手を交わすその手首には、支援者の孫が編んだハンドウォーマー。
将来世代の期待を感じながら、経済発展による強い外交を訴える。
「経済も発展すれば、しっかりとした外交力も強くすることが出来る。外交で堂々と渡り合える状況を作り上げることが出来れば、自ずと安全保障が確立する事ができる」

多党化の様相を呈した福島4区。4党による乱戦の行方は果たして!?

■記者解説

まもなく東日本大震災から15年。福島の復興への思いを国に届ける役割は、ますます重要になる。福島4区の構図を福島テレビ選挙担当の石山美奈子記者が解説する。
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2026年度からの5年間は『第3期復興・創生期間』に入る。福島分の予算規模は増えるが、これを執行に移すために地元のニーズを確実に国に届ける必要がある。
また除染で出た土の福島県外最終処分や福島第一原発の廃炉といった、【国との約束】を果たすべく、この浜通りからの国会議員が大きな舵取りを担っていくことになる。

この4区の候補者に『重視する政策』を聞いたところ、山口さんは【医療】、斎藤さんは【経済】、熊谷さんは【エネルギー】と、特徴はあるものの、みなさん復興に重きを置いている。坂本さんも、回答はなかったが重点公約には第一原発の廃炉の完遂などを掲げている。

戦いの構図は、前回の選挙に立候補した坂本さん・斎藤さん・熊谷さんの3人に、新たに山口さんが加わった形。
前回は、坂本さんが接戦を制して選挙区の議席を獲得し、斎藤さんが比例復活で当選した。
今回は、自公連立が崩れたことで坂本さんから公明票が離れる可能性がある一方、国民民主党の山口さんが立ったことで労働組合組織が二分され、斎藤さんからも一定の支持層がこちらに流れるとみられる。
この3人は、比例東北ブロックにも重複立候補していて、接戦となった場合には前回のような比例復活の可能性もあるかもしれない。

福島にとっても、重要な復興の道筋を託すリーダーとなる。有権者の選択に注目したい。