3回目の燃料デブリ採取へ 新装置「ロボットアーム」公開 今年夏ごろ予定 廃炉は進むか? 福島第一原発
廃炉の最難関燃料デブリ。3回目の取り出しは新しい装置を使い、今年夏頃を予定している。
■3回目のデブリ採取へ「ロボットアーム」公開
東京電力の担当者:「毛の間にデブリの粒をつけて採取する」
京電力が公開した「ロボットアーム」。廃炉の最難関とされる燃料デブリを取り出すために開発された。
これまでに2回試験的な取り出しが行われた福島第一原発2号機。ロボットの通り道となる格納容器に通じる配管は、熱で溶けたケーブルなどが詰まっていたため、“釣り竿型”が使われていた。
一方、ロボットアームは内部の状況を3次元で再現できるカメラが搭載されるなど“釣り竿型”より詳細なデータを集められる。
しかし、“釣り竿型”と比べてサイズが大きいため格納容器に通じる経路にある障害物を取り除く必要がある。
東京電力試験的取り出しPJグループ・中川雄介マネージャーは「ロボットアームは、かなり大型な装置で、かつ、今回ですね、完全にその遠隔のオペレーション、遠隔操作での作業になってきますので、ここの経験はですね、次の段階的規模拡大の取り出しですとか、そういったところの経験に非常に生きてくる作業だと考えてます」と話す。
燃料デブリの3回目の試験的な取り出しとなるロボットアームによる採取は、2026年夏頃を予定している。
■記者解説・ロボットアームと釣り竿型ロボットの違い
県政担当の石山記者と伝える。
◇燃料デブリの取り出しに向け大型ロボットが公開されたが、よりたくさんのデブリを取り出すことが可能になるということか?
ーーいいえ、これまで2回使われた「釣り竿型ロボット」も25日公開された「ロボットアーム」も、狙う対象は同じ「3グラム以下の燃料デブリ」だ。
燃料デブリはもとは核燃料だから非常に高い放射線を放つ。取り出しや輸送で問題が発生しないよう「試験的取り出し」はこの量だと決まっている。
◇ロボットを変える意味は?
ーーそれはデブリや原子炉内の状況をより詳細に把握するため、というのが大きなポイントだ。これまでの釣り竿型のロボットは、格納容器の中まで棒をのばしてそこから降ろすという動きしかできないが、ロボットアームはクネクネと動かすことができるので、これまで狙えなかった場所から採取したり原子炉の中をより細かく見ていくことが可能になる。
東京電力の担当者は「ロボットアームでデブリを減らすということではなく、燃料デブリの性状を知り、今後の取り出し計画を前に進める目的がある」としている。
◇まだ「デブリを減らす」段階ではないと?
ーーそうだ。まもなく震災と原発事故から15年、処理水の放出やタンクの解体など原子炉建屋の周りは少しずつ動きが見えはじめているが、人が近づけない「廃炉の本丸」と言われる燃料デブリの取り出しは、まだ試験中・準備中の段階と言わざるを得ない。
■投入時期は先延ばしに
1号機から3号機までに残る燃料デブリは約880トンと推計されているが、これまで2回の試験的取り出し合わせて0.9グラム、1円玉1枚にも満たない重さだ。
25日に公開されたロボットアームも投入しようとしたら配管が詰まっていた、ケーブルが劣化していた、カメラに不具合があったなど決して順調とは言えず「2025年度後半にも投入」が「2026年度に試験的取り出し着手」と先延ばしされている。
国と東京電力が掲げる廃炉の完了・2051年まであと25年。安全な、しかし着実な廃炉の進行が求められている。














