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記者プレ

郡山市「大友パン店」が創業100年 人気店の一日に密着

記者の視点で社会や地域の話題を紹介する「記者プレ」 今回、宮下真結子記者が注目したのは多くの客でにぎわう福島県郡山市の「大友パン店」。2024年で創業100周年を迎えた。地域に愛され続ける大友パン店の一日に密着した。

◇【動画で見る】動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

人気は郡山市のご当地パン

朝早くから、店の調理場で生地を練るのは、3代目の吉田明弘社長。毎日200種類以上のパンを作っている。
午前7時半、オープンを待ち構えていたかのように通勤・通学する人が次々と来店。店の一番人気は甘さ控えめのクリームがたっぷりと塗られた「クリームボックス」で一日に1500個以上が売れる日もある。

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創業時の思いをつなぐ

大友パン店は、郡山市が誕生した大正13年に「おいしいパンを少しでも安く届けたい」と大友武一さんが創業。
現在は、吉田さんと大友さんの孫で妻の和子さんを中心に、35人でその思いを受け継いでいる。妻の和子さんは「本当に小さな店なんですけれども、"守る"ことがすごく大変だなということをつくづく感じます」と話す。

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大友パン店は高校でも人気

昼近くになり、従業員がたくさんのパンを積み込んで出かけた先は、学校での出張販売。平日は毎日、郡山市内の5つの高校を訪問し、腹ペコの生徒たちの胃袋を支えている。
生徒は「週4くらいで買っています」「毎日人気過ぎて売り切れてしまいます」と話す。

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コロナ禍に物価高 悩んだ値上げ

幅広い年代から愛される大友パン店だが、商売を続けることは簡単ではない。コロナ禍では来店客や受注が大きく減り売上げは低下。そして、物価高も重なり、パンの値上げに踏み切った。
吉田社長は「高い商品だと20円ぐらいあがった商品もある。4月以降、原材料費だけで約100万円の増加」だと説明する。一部の商品に絞った値上げだったが、悩みに悩んだという。
「みんなは"大丈夫"って言っていますけど、実際どうなんだろ。自分だったら高いなと思うとか。上げたくはないですよね、やっぱり」と吉田社長は話す。

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老舗を支える若い感性

ランチタイムを終えた店内、売切れの商品が目立つ。そのころ調理場では、2年目の従業員・本田優希さんが再びパンを作り始めた。新しいメニューづくりも任される本田さんが作っていたのは「ケロケロコッペ」。「春休みに出していたのですけど、小さい子が好きかなって思って。なにか動物系のパンを出せたらいいなと思って」と話す。パン作りに情熱を燃やす、若い感性が老舗を支えている。

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出張で訪れた人もファンに

大通りに面している店には、遠くからやってくる人もいる。東京から出張で来た人は真剣な様子で品定め...話を聞くと「1回、朝来ました。朝来て、きょうこれから東京戻るので、嫁さんと子どものお土産がてら買って帰ろうかなという感じで」と話す。たくさんのファンが足しげく通う大友パン店は、食べた人のお腹もココロも満たす。

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まだまだおいしいパンを

吉田社長は「年配の方から子どもまで、みんなおいしいっていてくれるようなパンを作っていければ、もうちょっと頑張れるような気がします」と話す。妻の和子さんは「何年も前から100周年を楽しみに待ってくださるお客様もいらしたので、これからも頑張って、まだまだおいしいパンを続けて作っていきたいと思います」と話した。
次の100年に向けて、おいしいパン作りへの思いが溢れている。

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