福テレ 福島テレビ

FTV関連サイトはこちら

ホームへ戻る

番組情報

 

2022.1.12

コロナ禍 防災先進地『福島』で作る
デジタル防災社会

<過去の寅年を振り返ってみると、ある傾向が見えてくる>
過去30年を対象に、福島県福島市の年間降水量の平均を十二支別にまとめた。
3位 【亥年】 1281.5ミリ
2位 【未年】 1382.8ミリ
1位 【寅年】 1522ミリ
30年間の平均は1207ミリ。寅年は平均よりも300ミリ以上多く雨が降っていることになる。
(ちなみに...最も少なったのが子年の1020.8ミリ)

<寅年の雨は、過去に甚大な被害>
1998年に福島県を襲った『平成10年8月末洪水』
東北地方に停滞していた前線が活発化し、降り始めからの総雨量が1267ミリに達した福島県西郷村では
大規模な土砂崩れ発生。高齢者福祉施設「太陽の国」で5人が犠牲に。福島県内全体では11人が亡くなった。

また、12年前の2010年に福島県郡山市を襲ったのは『都市型豪雨』
発達した積乱雲により、郡山市では1時間に46.5ミリの激しい雨を観測。
JR郡山駅西口周辺で床上・床下浸水があわせて200戸以上発生し、
浸水対策を強化する大きなきっかけとなった。

<防災通知アプリ『Yahoo!防災速報』に新機能>
この災害情報をいち早くキャッチできるアプリに、新たに加わったのが直ぐに被害状況を共有できる機能。
これは、ユーザーがTwitterに投稿した写真や動画などの災害情報を、地図上にリアルタイムで表示されるもの。
どこで、どのような災害が起きたのかが視覚的に分かるようになった。
ヤフーは今後も、インターネット技術を活用し一人でも多くの命が助かる環境を整備していくとしている。


◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

2021.12.22

地震多発の2021年
備えの重要性を伝える被害想定

<福島県で発生した震度1以上の地震>
東日本大震災以降 減少傾向にあるが、2021年は過去5年で最も多くなった。
これは、2月に相馬市などで最大震度6強を観測した福島県沖地震が影響している。
2021年2月の福島県沖地震では、関連死の1人を含む2人が犠牲になり、100人が重軽傷を負った。
住宅被害は約2万4000棟に上った。

福テレ防災アドバイザーの松尾一郎さんは、
「海溝型地震ば20~40年サイクルで発生する。
東日本大震災から10年が経過した今、余震と考えるのではなく【次の地震に繋がるプロセスの一つ】だと見るべきだ」と話す。

<震度6強を観測した福島県沖地震から10カ月...文化財の復旧も進む>
2月の地震で相馬中村神社は大鳥居だけでなく、灯篭も倒れるなどして被害額は約2000万円に上った。
クラウドファンディングで修復費用を募り、寄せられた約1000万円で灯篭は復旧できたが、
大鳥居の修復には金額が届かなかった。
このため、7月に行われた相馬野馬追の出陣式は応急処置を施し仮復旧で対応した。
資金難から大鳥居の修復を諦めかけたこともあったが、
資金難を知った福島市で水力発電用機械の開発などを行う中川水力が寄進。
自らの技術をいかしたステンレス製の大鳥居が完成した。

<衝撃的な被害想定には、対策を取れば多くの命が救えるという意味合いも>
千島海溝か日本海溝沿いでマグニチュード9という非常に大きな地震が起きた場合の被害想定が公表された。
最悪のケースは【冬の深夜に日本海溝沿いで起きたとき】・・・死者は最大19万9000人にのぼるとされている。
福島県内で最も亡くなる方が多い想定なのは【夏の昼間】で、沿岸部に観光客などが集まっているため、死者は1200人に上ると想定されている。
ただ、約20万人という犠牲者は対策をとることで8割減らせるとされている。

鍵を握ってくるのは、防災意識の向上。
・津波から早めに避難をすること
・津波から逃げ込めるビルやタワーの整備 
・建物の耐震化 
・防寒具 着替え 温められる非常食などを備えた備蓄倉庫
などが挙げられる。

福テレ防災アドバイザーの松尾一郎さんは、
「この公表で心配なのは、被害の大きさに対策を諦めてしまう事。
この想定で言いたいことは、国・自治体・国民ができることを役割を持ってできれば、
たくさんの命が救えますとうことではないか」と話す。


◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

2021.12. 9

災害孤立対策の肝
非常通信の確保とヘリポート整備

<洪水被害が起きやすい時期は過ぎたはずなのに...12月に避難指示 自治体でも対策進む>
洪水被害が起きやすい「出水期」と呼ばれる期間は、6月から10月ごろと言われているが...
2021年12月1日、福島県いわき市では台風並みに発達した低気圧の影響で、多いところで1時間に30ミリを超える激しい雨が降った。
この雨により河川が氾濫する恐れがあるとして、いわき市内の一部地域には5段階の警戒レベルで【レベル4の避難指示】が1250世帯の約3000人に出された。床下浸水が4棟が確認されたほか、冠水による通行止めが相次いだ。
いわき市は、落ち葉が詰まり排水機能が低下するなど改善すべきエリアが約100カ所に上るとして、これから5か年計画で施設を整備し被害防止に取り組む計画。

<二度も孤立...台風・大雨で地区へつながる唯一の橋が流出 住民は備蓄食料を3倍に>
2019年東日本台風で、矢祭町高地原地区につながる唯一の道『高地原橋』が流され、地区の住民11世帯30人が孤立状態になった。
断水を強いられた住民は、普段通行が許されていないJRの鉄橋を使って必要な物資を運ぶ日々が続いた。
1カ月後に完成した応急的な橋は、3カ月足らずで大雨により流され、仮設の橋がかかるまで数日間再び孤立状態となった。
2021年11月には、被災前より1.5メートルかさ上げされた新しい高地原橋が完成。
被災から2年あまりが経ち復旧が進んだが、高地原地区の松本好郎さんは教訓をいかし缶詰やカップ麺など、非常食にも活用できる食品は被災前と比べて約3倍備えるようにするなど対策を続けている。
また矢祭町では、教訓を忘れないために2021年から『矢祭町防災の日』を定め、台風が上陸した10月12日を防災に対する備えについて考える日としている。

<内閣府は東日本大震災の発生などを受けて「孤立可能性のある集落」の調査*2014年10月公表>
集落の位置する場所から【農業集落】と【漁業集落】の2つに分かれている。
全国で孤立可能性のある集落は【農業】1万7212集落 【漁業】1933集落
福島県は【農業】230集落 【漁業】1集落となっている。

福テレ防災アドバイザーの松尾一郎さんは...
「高齢者・要支援者は災害が起きる前に安全な場所へ。早めに避難するしかない。
孤立する地域は、緊急避難場所や数日間籠城が可能な備蓄物資を前もって地域住民と行政が連携して用意しておくことが必要なこと」と話す。


◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

2021.11.24

火山について考える
噴火の規模が大きければ被害も大きく

2021年8月。小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」が噴火し、大量の軽石が発生した。
沖縄県や鹿児島だけでなく、最近は東京・伊豆諸島でも漂着を確認。
政府は10月下旬の会見で、福島県まで影響が広がる可能性を指摘していて、今後福島県の海岸にも流れ着く恐れがある。

<福島県内でも進む軽石対策>
廃炉作業が進められている福島第一原発の5号機と6号機の燃料貯蔵プールでは、燃料の冷却に海水を使っている。
この設備に軽石が詰まると壊れる恐れがあるため、東京電力は港湾にフェンスを追加する準備などを進めている。

<福島県には5つの活火山>
吾妻山・安達太良山・沼沢・燧ヶ岳・磐梯山
このうち『常時観測火山』として、噴火の前兆を捉え噴火警報など発表するため24時間体制で監視が行われているのが、吾妻山・安達太良山・磐梯山の3つ。

<過去の噴火で大きな人的被害が出た磐梯山>
福テレ防災アドバイザーの松尾一郎さんが『磐梯山噴火記念館』を取材した。
1888年の磐梯山噴火では、多くの医学生が駆け付けたことなどから「ボランティアの先駆け」とも言われている。
松尾一郎さんは「磐梯山の噴火は、2021年に噴火したの福徳岡ノ場の規模と変わらないくらいの規模であったと」話す。
磐梯山は、歴史的にも何回も山体崩壊を起こす火山で、当時の噴煙・火山灰もの被害は福島県の中通りや浜通りにも。亡くなった方々も500名近くに及んだ。
幕末の混乱から復興する中での噴火災害で、福島県への影響は長期間で広範囲であったと考えられる。


◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

2021.11.18

安全な街づくりは 災害リスクの 共有から始まる

2021年の出水期に東北地方に接近した台風は1つ。
平年の2.7個より少なくなるなど、福島県内で大きな水害は起きなかったが九州地方などでは今年も水害が発生。万が一への備えは引き続き求められる。

<「流域治水」に盛り込まれた移転>
【流域治水】とは、大きな河川や小さな支流も含む「流域全体」のあらゆる関係者が一体となり洪水対策に取り組むこと。
その中には、浸水の恐れが高いエリアから低いエリアへの「移転」含まれる。

実際に、2年前の東日本台風で被害を受けた、いわき市では被災した住み慣れた地域を離れ、移転を決めたケースも。
しかし、大雨の影響で浸水被害に遭った人が移転を希望した場合、県内では現時点で国費によって移転費用が補助されたケースはなし。
一方、土砂災害特別警戒区域や災害危険区域に指定されたエリアからの移転費用を補助する制度はあり。
県内で唯一行っている、いわき市では土砂災害特別警戒区域などを対象に、移転の場合は最大518万5千円、改修の場合は最大75万9千円を補助。
毎年4月から5月の間に事前相談を受付けているが、利用があったのは1994年が最後。
過去25年以上にわたり活用した人はいない。

★福テレ防災アドバイザー松尾一郎さん解説★
被災した住民の多くは住み慣れた街を離れたくない。
危険な事があるとすれば、子どもたちを守るためにも移転の決断をする方もいる。
だから被災自治体のトップが、より安全な街にしていくんだというメッセージをいち早く示すことが重要になる。
移転の補助については、土砂災害で使えるところもあるが、これまで洪水・河川が氾濫した場合に使える仕組みはなかった。
2021年に改正された流域治水関連法案では、洪水で危険な集落を安全なところへ移転させる集団移転促進事業が法律で規定された。特定の河川を指定して活用出来るようになった。
まさに阿武隈川も支流決壊で災害あったので、国、県、市町村が連携し、住民にとって安全な街を作って行ってほしい。


◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

2021.10.13

忘れない それでもこの地で 生きていく

令和元年東日本台風から2年 課題と教訓について考える。
■被災で住民が転出 地域防災の維持が難しく...福島県本宮市
東日本台風で阿武隈川が氾濫し甚大な被害を受けた本宮市。1000棟を超える住宅が浸水し、7人が犠牲となった。
当時、舘町地区では台風の接近前に町内を回り避難を呼びかけた結果、幸い地区の住民は全員が無事だった。
素早い避難行動につながったのが6年前に立ち上げた地区の自主防災組織。
町内会で班を作り、年に1度避難訓練を行い、住民が連携しながら災害に備えてきた。
しかし・・・被災後、水害のリスクなどを懸念し、地区から離れる人が相次いだ。
想定を超える水害が再び起きた時、どう命を守るか?
防災組織の新たな班編成を急ぎ、地域、そして住民のつながりが失われないよう模索している。

■東日本台風で被災 重い障がいを持った子どもと避難したのは車 避難所避難にためらい
東京大学大学院客員教授で防災マイスターの松尾一郎さんが取材したいわき市の『どりーむず』
重い障がいを持つ子どもたちを受け入れるデイサービス施設。
理事長の笠間真紀さんは東日本台風で自宅が浸水。重い障がいを持った息子と避難したのは車の中。
そんな経験と教訓から障がいを持った子どもたちの命を災害から守るため始めた取り組みを紹介。


◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

2021.9.22

土砂災害危険箇所 知ろう身近なリスク
大雨警報早めの避難

災害発生のリスクが高い「土砂災害危険箇所」は福島県内で8689カ所。
どのエリアが実際に指定されているのか、具体的に知ることができるのが「福島県河川流域総合情報システム」
土砂災害危険個所を調べる際には「土石流危険個所」「急傾斜危険個所」「地すべり危険個所」と3つの項目を選択。
表示された画面の色が付いた箇所が該当エリアとなる。
かなり広範囲に及んでいるので、自宅や周辺などの状況を一度確認を。
2013年に土石流が起きた福島県喜多方市では砂防ダムの整備など
災害を防ぐためのハード対策が進められていた。


◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

2021.8.19

新型コロナと自然災害
ふくしま発の防災技術が我が国を救う!

段ボールの製造を行う須賀川市の『神田産業』
東日本大震災・原発事故の教訓から、避難所などで使用できる組み立て型の段ボール製品に力を入れてきた。
実際に、2016年の熊本地震では避難生活が長引いていた熊本県の避難所に設置され、診察室や女性の授乳室、更衣室として活用された。
いま、コロナ禍に対応するため新たに開発した製品が段ボールに漆喰をコーティングさせることにより、高い "抗ウイルス" 効果をもたせたもの。
東京大学大学院客員教授・防災マイスター 松尾一郎さんが取材した。

2021.8. 4

海面水温 北高・南低 暑熱・大雨続く

<宮城県への上陸は1951年の統計開始以来初めてという "異例" の台風8号>
幸いにも福島県内では目立った被害はなかったが、今シーズンから変更された「5段階の警戒レベル」が初めて出された。
南相馬市・伊達市・浪江町・広野町の4市町で、「レベル3」の「高齢者等避難」が発令。
このほか18市町村が自主的な避難所を開設。
最大で82世帯106人が避難したが、このうち4割以上の37世帯45人は自主的な避難だった。
福島県の担当者は「東日本台風の被害もあり、早めの避難所開設が浸透しつつあるのではないか」と話す。

東京大学大学院客員教授・防災マイスターの松尾一郎さんは、早めに避難しようとしても自治体が避難所を開設しないと避難できない。早めの避難というのは重要なのでぜひ根づかせてほしいと話す。
早めの避難が徐々に浸透する中、新型コロナウイルスの影響で自治体が追われていたのは感染症対策に配慮した避難所の開設だけではない。
これまで避難所として使用していた施設を、新型コロナウイルスワクチンの接種会場として使用しているケースもあり新たな対応が求められた。

また、台風8号は福島県を通過した後も「異例の雨」を降らせた。
東京大学大学院客員教授・防災マイスターの松尾一郎さんは、東日本台風のときも台風本体が抜けても回り込んだ雨雲で、遅れて雨をもたらすということもあった。これはいかなる場合も起こり得るということを考える。今後は遅れてくる大雨には注意すべきと話した。

◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】でご覧いただけます。

2021.7.15

市町村長は迷わず避難指示。市民は早めの避難。
そんな地域は災害にも強い

激甚化する水害に対応するために、大きな河川はもちろん小さな支流も含む流域全体が一体となって、洪水対策に取り組む『流域治水』と呼ばれる対策が進められている。
その中で大きな効果が期待されているのが【遊水地】

【遊水地】とは、大雨が降ったときに、低くしておいた堤防からわざと水をあふれさせて遊水地に一時的に水を溜めることで、下流に流れる水の量を減らす治水対策の一つ。

2019年の東日本台風で堤防の決壊が相次いだ阿武隈川流域では、被害を繰り返さないために遊水地の整備に向けた準備が進んでいる。


◇動画はYouTube 福島ニュース【福テレ】 でご覧いただけます。

2021.6.23

浸水被害に遭った小学校の取り組み
児童の命を守るため

水害や土砂災害が相次いでいることから、文部科学省は2021年6月に公立学校の対策状況を初めて取りまとめた。
福島県内の918校のうち、浸水想定区域に立地するのは128校。
土砂災害警戒区域に立地するのは84校。その両方に該当する学校も5校ある。

<これらの学校ではどのくらい対策がとられている?>
浸水想定区域にある学校についてみていくと、「避難確保計画」の作成、それに基づく「避難訓練」の実施は義務とされているが、福島はどちらも全国平均を下回っている。
学校施設内への浸水対策は全国的にもあまり進んでいない。
福島県も15%程にとどまっていて、特にハード面の対策が遅れている現状が浮き彫りになった。

----------

福島県郡山市の赤木小学校。
市内で唯一「浸水想定区域」と「土砂災害警戒区域」の両方に該当している。
2019年の東日本台風では近くを流れる逢瀬川の氾濫により、校舎1階部分が浸水。
教室や職員室が大きな被害を受け、復旧までの2ヵ月間別の場所での授業を余儀なくされた。

ソフト面として学校独自の災害対応マニュアルを策定し避難行動を見直した。
水害の発生が予想された場合には、移動の際のリスクを考慮し児童を校舎の2階以上に「垂直避難」させることに。
また校舎が万が一被害に遭っても、授業を早期に再開させるために重要な書類を電子化したり机や椅子などの備品を予め2階以上に移動させたりする工夫も盛り込んだ。

さらにハード面として、東日本台風で1階にあった電気設備が浸水による故障で校舎全体に送電できなくなったため、校舎2階部分にあたる約3~4mの高さまで底上げした。
また2021年度から始まった校舎の改修工事では、浸水の恐れのある1階部分には、そもそも教室を設けないようにする計画を採用した。
工事の完了は3年後を予定していて、郡山市では他の学校でも防災対策の強化を進めていく方針。

2021.6. 9

家が家族を守る
洪水対策に取り組む住宅メーカー

梅雨末期の大雨により、これまでも洪水などの被害が相次いできた。
こうした相次ぐ洪水被害を防ぐために、住宅メーカーも最新の技術も取り入れて対策を強化している。

<住宅メーカー「一条工務店」が福島県二本松市に整備したモデルハウス>
最新の技術を取り入れて開発された住宅を、東北で唯一体験することができる。それは...『水に浮く家』 
<一方、住宅メーカー「ユニバーサルホーム」が展開する『床下浸水がありえない家』>
一般的な住宅は床下に空洞があるが、この住宅メーカーでは、砂利を敷き詰めた上で鉄筋とコンクリートで密閉した。
そもそも水が流れ込むスペースが存在しないため、床下浸水も起きない構造を採用している。

デザイン性だけでなく、「防災」という観点を備えた新しい家づくりが広まりつつある。

2021.5.20

より分かりやすく 5段階の『警戒レベル』改正

<5段階の警戒レベル>
・2年前から運用されてきたが、より迅速な避難につなげるために2021年5月20日から大幅に変更に。
・特に注目は、全員避難を呼び掛ける「警戒レベル4」これまで自治体に「避難指示」と「避難勧告」の2つの情報があったが、「避難指示」に一本化。「避難勧告」という言葉が廃止された。
★防災マイスター・松尾一郎さんのポイント
・最近の災害では高齢者とか要支援者の方が犠牲になるケースが多い。
・明確に「高齢者等の皆さんは避難してください」という言葉を使った。
・避難指示と避難勧告は一本化で良いが、これまで勧告と指示を使い分けていた自治体や地域は指示一本になるので、どう運用するのか悩んでいるはず。
・迅速な避難には、避難指示しかないことを私たちがどう行動に結び付けられるかが大切になる。
・避難指示だけでなく、自治体が補足情報を付け加えていくことも求められる。
<自主防災組織への影響は...>
5段階の警戒レベルが新しくなったことを受けて、自主防災組織の活動にも変化が求められる。
★防災マイスター・松尾一郎さんのポイント
・命を守る防災は危険な所にいる人を安全な所に避難させること。そのためには地域の住民防災組織の取組みが大きい。
・市町村の避難計画の改正も必要だが、自主防災組織が避難行動を見直すことも必要。
・梅雨に入っている地域もあり、見直す時間がないのは課題。行政と地域が連携し 法律に合った避難計画を作ってほしい。
<避難指示への一本化で福島市は>
・「避難勧告」が廃止され「避難指示」に一本化されたことで、「避難指示の頻発」につながることを懸念。
・雨の降る量を十分に検討し、注意深く運用していく方針。
★防災マイスター・松尾一郎さんのポイント
・自治体の悩みは分かるが避難は命を守ること。避難指示を呼び掛けて、状況によっては、さらに強い呼びかけが必要になるケースもある。ここをどうするのかが課題になる。
・ある東海地方の市長は、避難指示よりさらに強く呼びかけたい時には「サイレンを使おう」と話していた。伝えた方で変えるという妙案があると思う。

2021.5.12

『流域治水』 利水ダムで洪水対策

『流域治水』とは、激甚化する災害に対応するため、大きな河川はもちろん小さな支流も含む「流域全体」が一体となり、洪水対策に取り組むというもの。
対策には「遊水地の整備」「堤防の強化」などがあるが、なかでも今回は「利水ダム」について話し合う。

《そもそもダムは大きく2つ》
大雨などによる洪水を防ぐために整備された『治水ダム』と、農業用水などの水を確保するために整備された『利水ダム』
これまで『利水ダム』には、洪水を防ぐための機能は備わっていなかった。
しかし大雨が予想される場合、ダムに貯められていた水を前もって下流に流し受け止められる量を増やしておく【事前放流】などの対策が、普及しつつある。

《この「利水ダム」をさらに活用するために、福島県では一歩進んだ取り組みが進められている》
石川町や玉川村など6市町村に農業用水を供給する『千五沢ダム』
かんがい専用の『利水ダム』だったが、洪水を防ぐための機能も備えた『多目的ダム』への改修を進めている。
福島県各地に甚大な被害をもたらした【令和元年東日本台風】
『千五沢ダム』が立地する石川町でも、河川の氾濫が相次ぎ住宅533棟が浸水するなどの被害が発生した。
しかし改修工事を完了すれば下流に流す水の量を、最大で半分以下に抑えることができるようになるため、被害の軽減につながると期待されている。
一方で、改修工事は農業用水の利用がない10月から3月の間に限られるためどうしても時間がかかってしまう。
総事業費145億円をかけ、2009年から始まった改修工事は2023年度の完了を目指している。

=====『千五沢ダム』のように改修工事を行い、洪水を防ぐための機能を後から追加するケースは珍しいのですか?
東京大学大学院客員教授・防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」の松尾一郎さん:
「珍しいですね。利水ダム・専用ダムをいわゆる改造して多目的ダムにするという取り組みは、あまり多くないんですね。
要はですね、もう既にダムあるわけですから施設を少し改造した上で取り組むという意味では、
やっぱり時間的にも費用的にも非常に効果があるというふうに思います。こういうのが増えてくると思いますね。これから」

《命を守るための呼びかけが5月20日から変わる》
災害の発生状況とその危険度、そして取るべき行動を示す『5段階の警戒レベル』
なかでも【全員避難】を呼び掛ける【警戒レベル4】は、「避難指示」と「避難勧告」の2つの情報があったが、5月20日からは「避難指示」に一本化される。

2021.4.28

流域治水で激甚化する洪水被害に対応

〇成立した「流域治水関連法」
・激甚化する災害に対応するため、大きい河川だけでなく、小さい支川を含めた「流域全体」が一体となり、洪水対策を充実させていくことを目指しています。
・国道交通省の河川計画課・廣瀬昌由課長「これまでの治水事業・河川改修・ダムの建設・下水道の整備は『線』であったり『点』であったりという整備をやってきた。(それを)『面』に展開して関係者と一緒に整備をやっていく。非常に大きな転換」と意義を強調。
・阿武隈川では、堤防のかさ上げ工事や川の流れをスムーズにする「河道掘削」などハード面の対策が進む。
★防災マイスター・松尾一郎さんポイント
・私たちは、どこに居ても、河川の流域内に暮らしている。
・福島県で一番広域な流域を持っているのは、阿武隈川流域。
・これまで治水対策は、堤防を作ったりダムや遊水池などピンポイントで対策を講じてきた。
・雨の降り方も増えている中、流域全体で水を貯めるなど様々な機関で洪水対策を進めようというのが流域治水。

〇「流域治水関連法」に盛り込まれたソフト対策は?
・ハード面とソフト面を多層的に展開しているのが「流域治水関連法」の特徴。
◇ソフト対策で代表的なのは「まちづくりとの連携」
(1)浸水被害防止区域の創設
・「浸水被害の危険が著しく高いエリア」を都道府県知事が指定。
・開発や建築行為を許可制にして、一定の制約をかけることができるように。
(2)地区単位の浸水対策
・浸水深に応じて、床面の高さや敷地のかさ上げを追加なども可能に。
★防災マイスター・松尾一郎さんポイント
・2019年の7月豪雨では九州・球磨川で特別養護老人ホームが最寄りの支流が氾濫し、14名の高齢者が犠牲に。
・避難だけで命を守ることの限界が改めて分かった。
・そもそも川側で浸水リスクのあるところに福祉施設を持ってくることの善し悪しも含め許可制にするなど、安全なまちづくり視点で改めていこうというもの。
・相当に踏み込んだ取組みだと高く評価。

2021.4.14

【余震】という言葉を使わなくなったが、
引き続き地震対策を

◇気象庁「東日本大震災の余震」取りやめ
・震災後、気象庁は福島県沖を含めた海側エリアで起きた地震を「東日本大震災の余震」として発表。
・その回数は1万4700件余りに達していた。
・しかし、「最近は余震と明確に判断できなくなった」として、2021年4月1日から取りやめ。

★東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」松尾一郎さんのポイント★
①余震と聞くと「もう次の大きな地震は来ない」と安心し対策が進まなくなってしまう問題があった。
②東北沖合は、これまでも20年~50年周期で地震で起き、津波も襲来している。
震災から10年が過ぎ、既に折り返し地点のため、地震対策の重要性は変わらない。

◇最大級の余震「浜通り地震」から10年
・2011年4月11日、いわき市田人地区でマグニチュード7.0の地震が発生。
・内陸で起きた最も規模の大きい余震。
・「井戸沢断層」が震源地で4人が犠牲に。
・10年が経つが現在も植樹を行い風化を防ぐ取組みが行われている。
★東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」松尾一郎さんのポイント★
①内陸型の地震の方が揺れによる被害が大きい場合もある。
②緊急地震速報が間に合わないケースもあり、日々の対策が重要になる。

◇更新された地震の発生確率
・政府の委員会が2年ぶりに「全国地震動予測地図」を更新。
・日本全国の揺れや大きさの確率を改めた。
・震度6弱の地震が起こる確率は、福島市は前回よりも2.2ポイント増え9.3%に。
・またサイト「地震ハザードステーション」は、どこのエリアがどのくらい揺れるのか具体的に表示。
・防災を考える上で1つの目安に。
★東京大学客員教授で防災行動や危機管理の専門家「防災マイスター」松尾一郎さんのポイント★
・数字に一喜一憂しない
・震度5強以上の発生確率は49%(福島市の場合)
・今後30年で交通事故で怪我をする確率は24%なので、決して低い数字ではない。

「地震ハザードステーション」 https://www.j-shis.bosai.go.jp/map/

2021.3.31

過去の震災から学び備える

<行政による避難の呼び掛け方が大きく変わる>

【災害の発生状況とその危険度、取るべき行動を示す「5段階の警戒レベル」】
全員避難を呼び掛ける『警戒レベル4』は、「避難指示」に一本化する方針。
また、すでに災害が発生している状況の『警戒レベル5』では緊急的な「安全確保」を強く呼びかける言葉に改められた。

さらに、高齢者など「要支援者」一人一人の避難方法を予め決めておく『個別避難計画』の作成が自治体の努力義務に加えられた。
2019年の東日本台風では、犠牲者のおよそ65%を高齢者が占めていて、要支援者を助ける仕組みが求められている。
国に先んじて要支援者の避難計画を策定している会津坂下町を取材。

また、東日本大震災の被災経験から、自社の技術を使い災害時に役立つ貯水タンクを製造するいわき市の企業も取材した。 
災害用の貯水タンク【ホリフトウォーター】
必要な部品や工具が入ってワンセット27万5000円
1トンの水を保管することができ、浴槽としてや物資を仕分ける棚としても活用することも。

2021.2.10

東日本大震災で決壊8人が犠牲に「藤沼湖」記録誌と慰霊碑で教訓を伝える地域の取り組み

農業に使う水を溜める「ため池」
東日本大震災では県内約4000ヵ所のうち320ヵ所が被災
須賀川市の「藤沼湖」は8人が犠牲になるなど、甚大な被害を受けた。
同じ被害を繰り返さないため、記録誌と慰霊碑で後世に教訓を伝える取り組みが始まっている。

2021.1.27

東日本大震災から10年 教訓をこれからの防災に
乗客40人の命を守った新人警察官のいま

東日本大震災による福島県内の死者は4000人を超え、このうちの6割は震災関連死。
原発事故により、未だに3万6千人が避難を余儀なくされている。

また、住民の命を守るために犠牲となった尊い命も忘れてはいけない。
被災3県の消防団員の殉職者は254人・消防職員は27人が犠牲に。
福島県では警察官5人が犠牲、または行方不明になっている。

警察学校の卒業式を終え、配属先に向かうJR常磐線で地震が起きた新人警察官。
咄嗟の気転で乗客を避難誘導し命を守ったあの日から10年。
当時抱いた思いや経験を「教訓」として後輩に積極的に伝えている。

2021.1.13

大規模な浸水被害を防ぐため注目 『グリーンインフラ』

「グリーンインフラ」とは、堤防を始めとした人工の構造物だけに頼るのではなく、自然環境が持つ力を防災や減災に活用する新たな考え方。
例えば、京都では、洪水対策として雨水を溜めたり、浸透させたりする機能を持った植樹帯を整備。
また、県内の沿岸部でも震災の教訓から津波から命を守る海岸防災林を植樹するなど各地でグリーンインフラの取り組みが進んでいる。

2019年の東日本台風により、大きな被害を受けた阿武隈川の流域でも取り入れていく方針が盛り込まれている。
特に郡山市が検討しているのが治水の面です。
治水とは、大雨の際に上流から流れてくる水を一時的に貯めこみ下流に流れる量を調整し洪水を防ぐというものだが、これを身近な田んぼを使って対策する動きがある。
郡山市は今後も検討を進め、早ければ2022年春から本格的な運用に乗り出す計画。

ページの先頭へ