ニュース

"令和の米騒動"で苦渋の決断 ふるさと納税・返礼品の米を止めた農家 郡山市も対応に追われ【福島発】 

収束が見えない"令和のコメ騒動"。福島県郡山市の生産者は苦渋の決断を迫られた。
古川農園・古川勝幸さんは「ホームページも、さとふるも(注文を)止めたという状況ですね」と話す。

■返礼品の米を賄いきれず
古川勝幸さんが3月、全面的に受付を中止せざるを得なくなったのが、ふるさと納税の返礼品だ。4年前から毎年約500から600キロのコメを返礼品として送ってきた。
しかし、以前から取引があったデパートが、品薄状態をカバーしようとこれまでの5倍を注文。古川さんはふるさと納税分のコメを賄うことができなくなった。
古川さんは「いや、やばいなと思いましたこれね。今までの客に出せなくなったら大変なことだなと思って(ふるさと納税を)止めるまで本当に一生懸命考えましたけど、止めるしか無かったです」と苦しい胸の内を明かす。

■デパートに恩返し
デパートへの販売は利益率が低く、儲けにはあまりつながらないが、忘れられない恩がある。
古川さんは「私の取引しているデパートさんは一生懸命になって(震災時に)応援してくれたんですよ、そういう思いはあります。その時の恩は返さなくちゃいけないなと思っています」と話す。

■郡山市のふるさと納税 新規受け付け中止
一方、郡山市も対応に追われている。
ふるさと納税の返礼品コメは、申し込み殺到などから4月末から新規受け付けを中止。再開時期は未定になっている。
"令和のコメ騒動"の行方は...。
古川農園の古川さんは「(コメが)ないっていうと皆さんね、必死になって買おうとするんだけど、安全なコメをやっぱり安定供給できるような仕組みを作っていかなくちゃなんないのかなと」と話した。