プールに潜む熱中症のリスク 水泳インターハイ福島県予選で18人が熱中症に より意識的に水分補給を
6月21日から22日にかけて福島県で相次いだのが熱中症だ。
■2日間で18人が熱中症に
福島県会津若松市で22日までの3日間にわたって行われた水泳のインターハイ福島県予選。22日午前10時40分頃、選手など10人が次々に手足のしびれや頭痛など熱中症とみられる症状を訴えた。現場となったのは、観客席にも屋根のついていない屋外型の水泳場だった。
この大会では、前日にも8人が熱中症の疑いで手当てを受けていて、県高体連が午前中に競技を終えるようスケジュールを変更するなどの対応を取っていた。
■目安は下回っていたが...
福島県高体連によると、22日午前8時45分時点の会場の気温は33℃、水温は28℃で、中止の目安となる合計70℃以下。また、暑さ指数・WBGTも運動を中止しなければならない31を下回っていたという。
今回、熱中症とみられる症状が相次いだことを受け、県高体連は「今後は専門家の知見を交えながら開催時期や内容などを考えていきたい」とコメントしている。
■プールでも熱中症に注意
夏場は特に多くの人が利用するプール。実は熱中症のリスクが隠れている。
郡山消防署の森田昌之指導救命士は「プール内では汗をかいていることを気づきにくく、喉の渇きも感じにくいため熱中症になりやすいと思います」と話す。
負荷の大きい運動の水泳は、汗をかく量が多い一方で、汗をかいていることや喉の渇きを感じづらく、水分補給を忘れるケースが多いという。
さらに、水中では汗で体温のコントロールができないため、熱が体にこもりやすく熱中症のリスクにつながる。
■意識的に水分補給を
必要なのはプールで泳ぐ際は、通常よりも『意識的』に水分補給をすることだという。
森田指導救命士は「小まめな水分補給・小まめな休憩、そういったところが対策として挙げられますので、そういったところを大切にしてほしいと思います」と話す。
また、屋外プールでは、直射日光やプールサイドからの放射熱も体温が上昇する要因となることから、帽子の着用や首筋や脇などを冷たいもので冷やすなど防止策を徹底するよう呼びかけている。