きのうと同じ熊か!?一夜明け再び福島市中心部に出没 生活場所を求め市街地へ? 2日目も警戒続く
6月30日に福島県福島市の中心部に出没したクマ。7月1日朝も目撃情報が寄せられ、警戒が続いている。いまも河川敷に潜んでいるのか?それとも山に帰ったか?行方は分かっていない。
■悠々と泳ぐ姿も
福島市南町の河川敷。その足跡がはっきりと残されていた。「クマが歩いてる痕跡は見受けられましたけれども、そこからどこに行ったかまでは確認できませんでした」と語るのは福島市の職員。
6月30日にカメラの前に姿を現した、体長・約1メートルのクマ。福島市の中心部を流れる荒川と阿武隈川の河川敷に出没した。
■麻酔が効かないことも
麻酔銃を撃ち捕獲を試みたが、クマは動きを止めずその後も川を泳いで渡ったり、藪の中に隠れたりするなどして移動を続けた。
福島大学の望月翔太准教授は「当たり所が悪かったり、すごく興奮している状態だと麻酔がなかなか効かなかったりする」と説明する。
クマはその後、住宅地の近くで目撃されたのを最後に行方が分からなくなり、日没とともに捕獲作業は中断された。
■一夜明け 再び目撃情報
7月1日朝も目撃されたクマ。大きさなどから同じクマとみられている。
周辺の住民は「きれいに草を刈っていると、出ないのだろうけど」「孫もが学校に通っているから、やっぱり捕まらないと不安です」と語った。
福島市などはクマがいるとみられる河川敷で花火を打ち上げ、捕獲に向け警戒を続けている。(2025年7月1日午後6時時点)
■時系列で整理
6月30日午後1時すぎ、東北新幹線の乗客から福島市方木田の河川敷にクマがいるとの通報。その後、荒川と阿武隈川の合流地点、午後6時頃には弁天橋付近に移動した。
そして7月1日午前5時ごろに、前日と同じ場所付近で再び目撃され、移動を続けながら福島市八木田近くにいるとみられている。
■親離れした子熊か?
クマの生態に詳しい石川県立大学・生物資源環境学部の大井徹(おおいとおる)特任教授は、「出没したのは80センチから90センチほどの1歳半くらいの子熊」だという。
大井特任教授は「6月から8月上旬くらいまでは、親離れをして新たな自分の生活場所を求めて活発に移動する時期でもある。一年のうちでも、この時期にはクマが人目につくところに出てきやすい傾向がある」と話す。また繁殖期も重なっているため、オスのクマが活発に活動する時期だという。
■アーバンベアはなぜ増加?
しかし、なぜ市街地での出没が目立っているのか?大井特任教授は「福島だと2023年に木の実が不作で、山からたくさんのクマがおりてきた。そのまま市街地集落の周辺に住みついてしまったクマが増えている。クマの活動が活発になったり、今住んでいる山のエサ状況が悪くなると、出没しやすくなっていると考えられる」と語る。
大井特任教授によると、まだ近くにいる恐れがあるという。残飯やペットフードを、外に放置しないこと、開けた場所への出没は夜間が多いので夕方から翌朝までの外出は控えること、車で移動・複数で行動するなど十分に注意をしてほしい。
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