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前任者からの引継ぎ後に業務不履行に気付き…契約書書き換える不適切処理<福島県>

福島県環境創造センターは福島県南相馬市にある「環境放射線センター」の業務委託契約において、契約期間内に業務が履行できなかったことから契約書の委託期間を不適切に書き換える事務処理があったと公表した。

「環境放射線センター」は東日本大震災と原発事故以降、原子力発電所周辺のモニタリングや、空間放射線の常時監視を行うために設けられた施設。
センターによると、不適切な事務処理があったのは、建物の地下にある重油タンクの点検業務。重油タンクは停電などの際に、非常用の電源を動かすために設けられているという。これについて油漏れなどの危険がないか年1回の点検を行うこととなっていて、2024年4月から9月の間に点検を行うべく業者と契約を結んでいた。契約金額は93,500円。

この点検業務を担当していた職員が病気休暇により不在となったため、後任者が業務を引き継いだが、契約期間終了後の10月になって点検が実施されていないことに気付いた。後任の職員は上司の決裁を受けずに公印を使用して、契約期間の終期を「2025年1月31日」と書き換え、契約書を差し替える不適切な事務処理を行ったという。

この事業は国費を財源としているため、国への報告資料を確認していた別の部署の職員が、業者への支払時期が遅いことに気づき、センターに問い合わせて発覚した。

センターは「各種契約、履行、支払状況等のチェックや公印の管理を徹底し、会計処理ルールの研修を行うなど、再発防止に万全を期してまいる」とコメントしている。