いわき市長選挙 3人が争う選挙戦 争点は経済・医療・防災など多岐に 9月7日投開票 福島
任期満了に伴う福島県いわき市の市長選挙が8月31日告示され、現職と前職・新人の3人が立候補した。
■3人が立候補
経済に医療、復興や度重なる災害への対応など、多くのテーマが争点になるとみられているいわき市長選挙。三つ巴の戦いが始まっている。31日告示されたいわき市長選挙。届け出順に現職の内田広之(うちだひろゆき)さん(53)、新人の宇佐美登(うさみのぼる)さん(58)、前職の清水敏男(しみずとしお)さん(62)の3人が立候補した。
■各候補者の第一声
2期目を目指す現職の内田さんは、公共事業を増やし経済を活性化させることや防災庁の誘致を訴える。
現職・内田広之候補:「医療の改革、教育改革、子育て、働く場所・雇用、そして農林水産業公共交通、一生懸命やってきました。一生豊かないわき市で暮らしていける、そんないわき市のまちづくりを皆さんとともにいわき市の未来を作っていこうではありませんか、どうでしょうか」
元衆院議員で新人の宇佐美さんは、医療体制の充実やいじめを防ぐための条例の策定などを掲げる。
新人・宇佐美登候補:「私には本当に多くの皆さん、市民の皆さんがついています。その市民の皆さんの力を、結集すれば、必ずこれまでのズブズブ政治、ドロドロ政治、しがらみ政治を脱することができ、私たちのいわき市政を必ずや取り戻すことができます」
2期8年にわたり市長を務めた前職の清水さんは、企業の誘致や首都圏などとをつなぐ交通網の拡充を主張する。
前職・清水敏男候補:「新しい工業団地、世界でも有数の企業をこの地に誘致して、東京・いわき・エフレイ・仙台と、高速交通網で結ぼうではありませんか。そういった夢を私に託していただきたいと思っております。停滞する市政を何とかもう一度、再び活性化させなくてはいけない」
■いわき市長選挙のポイント
ーー今回の選挙のポイントはどこにある?
いわき市の人口は福島県全体の6分の1あまりを占め、郡山市に次いで2番目。港もあるし、水産業が盛んなイメージがある。そしてメーカーの工場なども多く立地していて、製造品出荷額は仙台に続く東北2位、産業の要ともいえる自治体だ。ただ、人口の減少は深刻で、震災からの回復は進んでいるものの産業の維持、医療体制の充実、災害対応といった多岐にわたるポイントが争点になると見られる。
■期日前投票始まる・有権者の声
9月1日からは期日前投票も始まり、有権者も様々な思いを一票に託していた。
<投票した人の声>
(60代・経済対策を重視)「みんな経済的に大変な人たちが多いんで、その人たちを少しでも生活を支えて、やっぱり困ってる人に目を当てて、政治を進めてもらいたいっていう気持ちです」
(10代・にぎわいの創出を重視)「これからやっぱ人口減少とかの過疎化が問題になってると思うので、その辺りを解決して、賑わいのあるいわき市にして欲しいなと思っております」
(80代・災害対応を重視)「いろんな災害とかあるので、そこに臨機応変に素早くやって欲しいと思います」
■争点は多岐にわたる
争点が多岐にわたるというのは候補者へのアンケートからも見て取ることができる。
内田さんは経済や子育て、防災、復興など多くの項目を同じくらいの割合。宇佐美さんは「医療・命を守る仕組みづくり」に大きなウエイトを置いている。清水さんは「経済」や「子育て・教育」に重きを置いて選挙戦に臨んでいる。
立候補した3人は、前回・4年前の選挙戦でも争っていて、3期目を目指した清水さんを内田さんが破り、宇佐美さんも内田さんに次ぐ票を獲得した。
年々、投票率の低下も課題となっているが、産業、復興と福島県にとっても重要な役割を果たす自治体の舵取り役を選ぶ選挙だ。2026年に市制施行60周年という節目の年を迎えるいわき市。いわき市長選挙は9月7日、投開票される。