石破首相が辞任表明 福島県民からも驚きと不安の声 農業対策や復興政策の継続はどうなる
「石破おろし」の声が高まるなか、9月7日、石破総理が退陣を表明した。事実上のリコールの是非が決まる直前での表明、福島県民からは驚きや厳しい声が聞かれた。
「選挙結果に対する責任は、総裁たる私にあると。米国関税措置に関する交渉に一つの区切りがついた今こそが、そのしかるべきタイミングであると、このように考え、後進に道を譲る決断をいたしました」9月7日官邸で退陣の意向を表明した石破総理。2024年10月に就任後、衆議院の解散総選挙に踏み切ったが、党内のいわゆる「裏金問題」を受け大敗し、2025年7月の参院選後には、衆参ともに与党過半数割れという異例の事態に追い込まれた。
「石破おろし」の声が拡大し、事実上のリコールでもある総裁選前倒しの是非が決まる直前での表明だった。
■退陣表明に福島県民の声
石破首相の退陣表明に、福島県民は「ちょっと色々良いこと聞かなかったので、ようやくかなって」「やっぱり選挙でみんな投票しようって動きが多い中で、自民党の評価が下がってしまったのは、国民の意見が反映されているってことだと思うので」と反応する。
■石破首相が訪れた白河市では
「7月4日ですね、石破さんがお見えになったときの写真であります」7月の参議院選挙で自民党候補の応援のため石破総理が駆け付けた白河市の農産物直売所。農業政策への期待の中での突然の退陣表明だった。
農産物直売所「り菜あん」の安部純一店長は「私自身としてはもっと頑張ってほしかったなっていうのが本音だと思います。これから新米が出てくるということで、その部分での政策とかをもっと明確になっていければなという矢先だったので」と話す。
■農家は懸念
石破総理と対談した白河市の農家も「あの時の言葉」が消えてしまわないかと懸念している。北條農園の北條雄三さんは「(対談のときに)『農産物これから輸出に向けて乗り出す』ということで、すごい力強い言葉だなと思って聞いておりました。世論の風というか、そういうのに耐えきれなくなったのかなという感じはしました」と話す。
■福島県選出の自民党国会議員は
2025年度から始まる新たな復興期間の財源の確保などにも力を入れた石破総理。自民党福島県連はこれまで「総裁選の前倒しを要求しない」とする決定をしていて、福島県選出の自民党議員は、復興政策の継続を強く訴える。
根本拓衆院議員は「自民党が内輪もめをしているというような印象を与えてしまっているということについては、強い危機感を持っています」と話す。また、坂本竜太郎衆院議員は「役割と責任を果たしていくためのまたスタートに立ったなと責任を痛感しているところでございます」と話す。森雅子参院議員は「この復興財源を始めとした復興政策をしっかりと引き継いでいけるリーダーを探して参りたいです」と話した。
自民党福島県連会長の星北斗参院議員は「これを機に信頼回復に精一杯取り組むことが求められている」とコメントした。
■野党は石破首相に一定の評価
一方、立憲民主党福島県連の小熊慎司代表は「関税交渉など一定の成果はあった」と評価したうえで、政治不信を招いた根本的な問題の解決には至っていないとした。小熊代表は「どなたが総理になったとしても、熟議の国会の中で一つでも多くの我々の政策が実現できる、その準備をしたいという風に思っています。(石破総理は)ギリギリ不合格点を回避したかなという評価はしたいと思います」と話した。
自民党は臨時総裁選を行い、新総裁の選出を急ぐ。