ニュース

記憶に残り続けるローカルパン 清川製菓製パン店の名物「油パン」《もっと!ぐっと!川俣町》

川俣町の創業78年「清川製菓製パン店」で愛され続ける名物「油パン」を紹介。3代目の齋藤利雄さん・澄子さん夫婦が心を込めて作る「もちっと!じゅわっと!サクッと!」の三拍子が揃った特製パンの魅力に迫った。

■揚げパンとは違う!?唯一無二の油パン
「油パン」は揚げパンとはまた違うパン。齋藤利雄さんによると「発酵させまして、油でじっくり揚げたパンです」とのこと。まんまるとした形に表面はこんがりと焼き目がついている。
名前に「油」がつくが油っこさはほとんど感じないという特徴がある。その秘密は米油を使用していること。「米油を使っていて、ベタベタしないようになっています」と齋藤さんは説明する。

■三代続く「油パン」の歴史と進化
油パンは初代の齋藤運さんが考案し、2代目の齋藤久雄さんが厳選した米油に変更、3代目の齋藤利雄さんが時代に合わせたあんこを開発するなど、70年以上にわたり改良を重ねてきた。
「もちっと!じゅわっと!サクッと!」の三拍子が揃うおいしさの秘訣は、製造工程にある。一日の始まりは午前3時半から。「もちっと」食感はパスタにも使われるデュラム小麦など複数の小麦粉をブレンドすることで生まれる。「じゅわっと」はジューシーさを引き出す自家製のあんこ。「サクッと」食感を出すため200℃に熱した米油で揚げることがポイントだ。

■人々の記憶に残る味
齋藤澄子さんは、病床の方がどうしても「油パン」が食べたいと注文してくれたエピソードを紹介。「その油パンを食べる前にお亡くなりになって、その油パンを家族の方とそのご友人が一緒に食べて思い出になったという話を聞いた時に、たくさんの方がそういう色んな思い出を持っているんだなってありがたく思っています」と語る。
齋藤利雄さんは今後について「多くのお客様から末永く愛される仕事を続けていきたい」と話した。

■合併記念の新商品も登場
店内には油パン以外にも、メロンパンやコッペパン、食パンなど様々なパンが並ぶ。2025年9月に川俣町合併70周年を記念して発売した「かわまたバインミー」(800円)も注目の商品だ。サンドイッチの一種で、川俣シャモの卵や鶏肉が使われている。
また、クリスマスシーズンに向けてクリスマスケーキやブランデーケーキの予約も22日朝まで受け付けているとのこと。

<清川製菓製パン店>
東福沢工場(川俣町東福沢字熊ノ宮7-2)
【営業時間】午前6:30~午後5:00(なくなり次第終了)
【定休日】水曜日
※午前6時半に来店すると揚げたての油パンが食べられる