コメ政策「増産」に転換へ 米どころの農家は前向きも 見えない補償の道筋 担い手不足の中で【福島発】
"令和のコメ騒動"を受け、これまでの生産調整から増産にかじを切ったコメ政策。この抜本的な転換に、福島県内の生産者から聞こえてきたのは...。
■コメ政策転換へ
石破首相:「コメを作るなではなく、生産性向上に取り組む農業者の皆様方が、増産に前向きに取り組める支援に展開致します」
総理官邸で行われたコメの安定供給に関する関係閣僚会議で、コメの増産を進める考えを強調した石破総理。"令和のコメ騒動"を受けて、コメ政策は抜本的に転換された。
■米どころの農家の反応
福島県内有数のコメどころ会津若松市。コメ農家の長尾好章(ながおよしあき)さんは有機栽培にこだわり、4ヘクタールの田んぼでコメを作っている。長尾さんは「生産者する側としては、まあよかったなって」と話す。
■価格の動向や担い手不足が足かせに
政府が打ち出したコメの増産方針を前向きに受け止める一方で、気がかりなのが、価格の動向だ。増産により価格が下落した時の補償などの道筋が見えないと、増産は難しいと考えている。
さらに...。「まさに、いま過疎化で農家の人たちがどんどん離農していることを考えると、それが会津だけでなく、全国的にそういう状況になっているので、条件のよい所で増産しても、中山間地で増産できるのか、担い手がいるのかどうかが少し心配。増産してとんとんくらい、そんなに供給を需要が上回るようなことはないのかなと感じています」と長尾さんは話す。
生産者と消費者が納得できるコメ政策のあり方とは...。担い手不足が深刻になるなか"待ったなし"の状況が続いている。