所有者「経済的な理由で...」行政代執行による特定空家の解体 倒壊の危機が迫っていると判断 白河市では初
白河市役所から歩いて5分ほどにある住宅街。この場所に、木造2階建ての空き家がある。屋根は崩れ、壁には亀裂が入っている。
白河市によると、建物は30年ほど前まで飲食店だったが廃業し、それ以来空き家になっているとみられている。
近くに住む人は「台風がくると屋根が空いているので、近所ではいつも心配して見ているところ」と話す。
白河市は、倒壊のおそれが迫っているとして3年前に建物を「特定空家」に指定。所有者に空き家を解体するよう指導・命令を重ねてきた。
所有者は「経済的な理由で解体できない」などとして、市が求めた期限までに対応をしなかったことから、白河市として初めて行政代執行による解体に着手した。
解体作業は9月末までの完了を目指していて、費用・約420万円は解体が終わった後に所有者に請求するとしている。
白河市建築住宅課の太田悟さんは「行政代執行で建物が解体されることによって、特に隣接する住民の方の安心を与えられるのと、安全に通行できるというのが確保されるのかなと考えている」と話す。
白河市は、この建物のほかに10件を「特定空家」に指定していて、今後解体について助言・指導をしていくとしている。