矢祭町の危険な盛土に行政処分を検討 事業者などに"弁明"の機会設ける<福島県>

福島県は9月10日、矢祭町の危険な盛土に対し、盛土規制法に基づく行政処分を検討していることを明らかにした。
福島県は、2024年9月に県内全域での盛土規制法の運用を開始していて、盛土の面積や高さ、勾配などが基準を超える規模となる場合には、事前の許可が必要となっている。
9月10日には、この規制の開始から約1年を迎えるにあたって取り組み状況を確認する会議が行われ、矢祭町にある盛土について、盛土規制法に基づく行政処分を検討している状況を明らかにした。
対象となっているのは、2024年6月に森林保全法に基づく復旧命令を行った場所で、県によると事業者は命令に対し「対応できない」としていた。
県はこの場所が盛土規制法の基準を超える規模であるとして、事業者と土地の所有者に対し行政処分を検討している。現在、両者の"弁明"の機会を設けていて、復旧の意思が確認できないなどした場合には、危険性を排除するよう災害防止措置命令を発する監督処分とする方針。
福島県内には、この矢祭町の現場も含め、7か所の"懸案箇所"があるという。
このうち、西郷村にある盛土に対しては2024年に造成を主導した埼玉県の男を刑事告発し、警察がその後、盛土規制法違反の容疑で全国初の書類送検。県は約1億5500万円をかけ、土砂を撤去する行政代執行を行った。
矢祭町の盛土に行政処分が下されれば、この西郷村の事例に続いて県内で2例目だという。