福島・先達山のメガソーラー 市民団体が対応批判 パネルに反射する眩しい光 盛土による土砂災害の恐れ
山から放たれるまぶしい光。8月末に福島市内で撮影された太陽光パネルに日が当たり、反射している様子。福島市の先達山に建設されたメガソーラーをめぐり、市民団体が集会を開き、事業者や行政の対応を批判した。
■土砂災害の危険性を指摘
福島市の先達山太陽光発電所の計画に疑問を呈する市民団体「先達山を注視する会」は、9月9日福島市で6回目の集会を開催。はじめに、地質や地すべりの専門家が、発電所敷地内の盛土が最大40m以上に達することなどを挙げ、事業者が行った設計に重大な問題点があると指摘した。
地すべりの専門家・山崎孝成さんは「こういうことが分かっていて、行政は(事業を)容認できるのかなというのが、私の大きな疑問です」と話す。
■光害の苦情相次ぐ
また、先達山太陽光発電所をめぐっては、2024年から太陽光パネルによる光の反射、「光害(ひかりがい)」について、市民から苦情が相次いでいる。先達山を注視する会梅宮毅共同代表は「もしこの事業においても、(光の反射の)シミュレーションがしっかり実施されていたら、これほど強い反射光が事前に予測されないはずがないんですね」と話す。
■事業者に対応の遅れ
集会では、市の内部文書をもとに、事業の管理運営を行うAmp(あんぷ)社が、8月時点で反射光のシミュレーションを委託先に断られていたことを明かし、対応の遅れを非難した。集会の参加者は「(光の反射をみたことがあるか?)西日が当たって一瞬目がくらむような、どうしようって。(車を)走らせている時は危険だなってたくさんの人が感じていると思うんですね」と話す。
課題が山積する先達山太陽光発電所。9月末に商業運転開始が予定されている。