ニュース

地震・津波・火災...度重なる災害を乗り越え 松川造船"再起の一隻"宝精丸の進水式 【福島発】

大漁旗に彩られた、真新しい白と赤が輝きを放つ漁船。2年前の火事で全焼した福島県相馬市の造船工場で、再建後初めての"船出"を迎えた。

■相馬唯一の造船工場
相馬市の松川浦で行われた進水式。全長・約30メートルの底引き網漁船「宝精丸(ほうせいまる)」は造船会社にとっても特別な1隻だという。
「前途真っ暗で、とても再建は無理だなと。もう終わるしかないかなと、一旦は思いました」・・・こう語るのは松川造船株式会社・代表取締役の早川宗延さん。
1941年に創業し、相馬市で唯一の造船工場はきょうまでに数多くの困難と向き合ってきた。

■度重なる被災
2011年には、地震と津波で壊滅的な被害を受けた松川造船。
再建後も、2021年と2022年に相馬市で震度6強を相次いで観測した、福島県沖地震で再び被災。
さらに2024年には、火事に見舞われて工場が全焼し、この時に失ったのが建造中だった「宝精丸(ほうせいまる)」だった。

■再起を告げる一隻
そうしたなか、3月30日に船出を迎えた「宝精丸」。
福島県などの支援を受けて、2025年4月に竣工した新しい工場で、造船された"第1号"だ。宝精丸の船主・佐藤泰弘さんは「当初の計画から1年半くらい遅れたのもあったので、その分喜びは大きい」と語る。
2年前の火事で一度は灰になった「宝精丸」は、造船工場の再起を告げる"1隻"でもある。

■漁業復興を支える
松川造船株式会社の早川さんは「感無量です。本当に感謝に耐えません。地元の船主が火災のお見舞いにきてくれて、なんとかなんとか再建してくれと。地元の漁業者の力強い後押しがあった。いまは拡大操業だが、いずれは本操業になるかと思うが、それまでの道筋をがんばってつけてもらいたい」と語る。
松川造船は今後、年に2隻ほどのペースで造船を重ね、福島県の漁業復興を支えていきたいとしている。